満月の夕

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

塾へバイクで行くのに、とても通いやすい季節になりました。
もう寒の戻りは勘弁してほしいですが、暖かかったので
少し小さめのヘルメットをかぶって出ました。
そのせいか、周囲の音が普段よりよく聞こえていました。
すると、路上で、数名が歌っていました。別に珍しい光景では
ありませんでしたが、聞こえてきた歌が、なぜか私の記憶に
ありました。なんやったかいな?と思うと、ものすごく
気になって、戻って少し遠巻きに聞きました。
なかなか思い出せなかったのですが、
歌詞をよく聞くと、震災に関する内容です。

風が吹く 港の方から 焼けあとを包むようにおどす風
悲しくて すべてを笑う 乾く冬の夕
・・・・・

 解き放て いのちで笑え 満月の夕

最後で思い出しました。
「満月の夕」
という歌でした。

私は阪神大震災の経験者ですが、幸い大した
被災はしませんでした。また、親族、友人、知人にも死者や
けが人は出ませんでした。それでも震災を自分の中に刻みつけようと
思い、幾度となく足を運びました。
そのときに、近辺の噂で、地元のバンドらしき人たちが
軽装備の楽器だけで、あちらこちらに出没しては歌い、多くの人が
集まっているという話があり、私もそれに出会い、聞き入ったことが
あったのです。最初は不謹慎という声もあったそうですが、次第に
人が集まるようになったそうです。

人間の記憶とは、良くも悪くも時とともに
薄れるものですが、私が聞いたのは震災後一年くらいたった頃くらい
だったと思います。まだ大学生であったことは確実です。

そう言えば、そのときのバンドのメンバーの人は、震災を忘れるな!と
大声で言っていました。

この「満月の夕」は、ソウル・フラワー・ユニオンとヒートウェイヴ
というバンドの合作だそうです。必死で思い出してネットで
調べてみました(上記の歌詞も)。
でも当時、私が見たのが、そのバンドであったかどうかは、残念ながら
記憶にありません。それでも歌の歌詞とメロディを覚えている
ということは、それほどの力のある歌なのだと、今なら思います。

もうすぐ東日本大震災から2年です。私はあの日、早咲きの桜を見て、
その帰り道で、震災の第一報を見ました。だから早咲きの桜を見ると
震災を思い出します。
今、この「満月の夕」が京都で歌われているということは
おそらく東日本大震災を意識してのことだと思いますが、
震災に遭う、遭わないに関わらず、何かをきっかけとして
忘れないように、心に刻みこみ、日本人が少しずつ
被災者に寄り添う心を持ち続けることが大切なのだと、改めて
思い出しました。


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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

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