カンボジア代表?

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

大学院と何の関係もありませんが、
芸能人がカンボジア代表でマラソンでオリンピックに
出場するそうです。国籍をカンボジアに変えて、代表に
なったそうです。失礼かもしれませんが、マラソンも
オリンピックも、そしてカンボジアを冒涜した行為だと思います。
真剣に競技に打ち込み、オリンピックに人生をかけ、
それでも届かなかった人々をも冒涜しています。

サッカーでもワールドカップにもなると、国籍を
変えて、代表選手になろうとする人は結構います。
だから、必ずしも国籍を変えることに批判的な
わけではありません。問題は、マラソン選手としての
能力がオリンピック水準に達していないことです。
ただの素人なのです。
高い水準の選手なら、場合によっては相手側に
乞われて帰化してもらい、ナショナルチームを
強化することはあり得ると思います。しかし、
この芸能人は、ただの素人です。最近話題になった
市民ランナーとも違います。実力で言えば、
オリンピックマラソン参加標準記録は、最低でも
2時間18分(B標準と言います)です。この芸能人は
2時間30分がベストです。つまり、日本はもちろん
世界のどの国でも本来オリンピック選手になれる
記録ではないのです。ただ、一つの国で、陸上競技の
どの種目でも標準記録が突破されず、誰も派遣できない
場合、特例措置として、一人選手を派遣できるのです。
つまり、カンボジアのマラソン代表というより、
陸上競技の代表と言えるわけです。しかも代表選手
というのは、ほとんどの国では、派遣費用は税金です。
他国の税金で、記録もない素人が、特例措置だけを
狙って帰化し、カンボジア唯一の陸上競技の選手として
税金でオリンピックに出るのです。
私が知る限り、こんなふざけたことをした人間はいなかった
と思います。オリンピックやワールドカップが人を魅了するのは
世界最高峰の選手が、4年に一度という大舞台で、
人生をかけて、本気の勝負をするために集まるからです。
陸上競技、男子百メートルで言えば、9秒5台で走る
ウサインボルトという選手が注目されるでしょうが、
普通の人間が一生努力しても届かない領域です。
室伏選手はハンマーを80メートル以上投げます。
いずれも超人と呼ぶに相応しい人が集まるのです。
それがオリンピックの価値を保っているのです。
そこに勝つ気もなく、勝負にもならない素人が混じるのは、
悪しき前例以外の何ものでもありません。頑張ることや
出ることに意義がある、という人もいるかもしれませんが、
それなら自国から出るべきでしょうし、カンボジア国民で
オリンピックに出たかった人もいたでしょう。
そういう人を押しのけて出る以上、勝負できなければ
出ることに意義があるはずもありません。
いずれにしても、オリンピックや、それに人生を捧げた人々を
冒涜するふざけた人間が二度と現れないことを願います。


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株式会社コムニタス

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井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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