カンニング事件についてもう一言

井上博文

井上博文

テーマ:雑感


ちょっと連載を止めて、カンニング事件についてもう一言。
ここにきて急激に京大をはじめとする大学側の対応に
批判が集まっています。確かに大げさではあるし、
逮捕までする必要はあるのかと問われれば疑問はあります。
また果たして起訴に至るのかどうかにも疑問はあります。
しかし、だからと言って、批判している人たちの大半は
「カンニングは是としませんが」
と東京都知事の言葉を引用したかのように逃げ文句を入れ
ながら批判するのです。こんな馬鹿な話はありません。

今回の京大の対応を批判するなら、
「カンニングを是とする」
くらいのことを言い、かつその根拠が必要です。
カンニングを是としないならば、その人に京大を
批判する筋合いは決してありません。

はっきりしておかねばならないのはカンニングは
紛れもなく不正行為です。
(発覚したら・・かもしれませんが)
不正行為はそれなりの代償を払わねばなりません。
また、「カンニングごときで・・」というフレーズも
よく目にしましたが、受験をはじめとするテストにおいて、
カンニング以上の罪はありません。だからといって
隣のひとの答案をちょっとのぞいたくらいのことで
すべてがカンニングにされてしまうのもどうかと思います。
要は、カンニングと見なされない程度の行為なら
カンニングにはならないということだと思います。
そうすると、その判断基準は、前例とこれまでの
暗黙的了解に基づいて決定されると思います。
だとすると、今回の事件は(発覚した)前例のない
事件ということになります。そうすると、大学側にも
対応の前例がないということになります。

今回のケースは不正行為をした人間が確実におり、
現行犯ではなく、後で発覚しているのです。
その人物が果たして不正行為をしたか否かは、もはや
大学の調査だけでは判断がつかなかったはずです。
然るべき捜査機関に調べてもらったからこそ、
発覚したのです。そこを無視して、京大の対応だけを
批判するのは極めて不適切と私は考えています。
京大とて、何も好んで警察沙汰にしたかったとは思えません。
今回の事件は前にも書きましたが、あまりにも
これ見よがしすぎて、素直に、単独犯であり、合格したい
一念でした行為には思えない点が多すぎるのです。
一種挑戦状のようなやり方に不気味さを覚えた
同業者及び受験関係業者も多かったのではないかと思います。
少なくとも私には完全な事実はわかりませんし、
もしかすると、闇の中かもしれません。逮捕はやり過ぎ
と思う部分もありますが、この事件は今後の入試の
あり方を問う上で非常に重要な意味をはらんでいます。

少なくともカンニングが良くないことだと考える人は
このケースについてだけは、軽はずみに京大の対応を
批判することは無責任だと思います。
カンニングを良いことだと思う人は、批判はできるでしょうが、
良いことである明確な根拠が必要でしょう。
非常に中途半端な論調が目立つのがむしろ気になりました。


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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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