男子のディズニーランド―男の楽しみ、今と昔―
今日の目次
・生理的現象、人は年を取ると短気に
・こりゃあ、ネガティブがうつるぞ
・どうするか?ジェネレーションギャップ
・決めつけがちな昭和の価値観
・若い頃の俺だって他人(ひと)のことは・・
・むしろ上の世代にイラっとする場面が
生理的現象、人は年を取ると短気に
年を取ってくると、若い頃には見られなかったような現象がいろいろと身体上に出てくる、という話です。現実に年を取ってしまった私が、こうやって他人事(ひとごと)みたいに書くのもおかしな話ですが、自分のことは客観的にはなかなかわからないものです。実際はどうなのでしょうか?
その中の一つに「気が短くなる」というのがありました。人は年を取ると短気になるらしいのです。
これは、老人に関する著書を何冊も出版していらっしゃる和田秀樹先生が書いておられたので、間違いのないところでしょう。それは脳のある部分の萎縮とか劣化によって起こる生理的な現象で、精神的な面から発生する現象とは異なるということでした。とすれば、心の持ちようとか精神面でそう(短気に)ならないように努めたとしたとしても効果はなく、無駄に終わる可能性が高いのかも知れません。
こりゃあ、ネガティブがうつるぞ
先日、古い友人と久しぶりに話をする機会があったのですが、彼の話ぶりには、なんだかやたらと悲観的な見方や感想が多いような気がしました。気の置けない仲なので、「お前、なんだかネガティブになったな。」と指摘すると、彼のカミさんにも「同じことを言われるんだよ。」と言っていました。
さらにそれだけでなく、「なんか、最近すっかり気が短くなったんだよなー」とも言っていたのです。私は、「それは老人性のなんとかっていう現象らしいぞ。」と、和田先生が指摘されていたことを教えてやりました。
この友人の場合、身体の調子もあまり良くないようで、人生なんだかすっかりネガティブなモードに入っていたのです。話していると、こっちまでそんなネガティブマインドがうつりそうになりました。
どうするか?ジェネレーションギャップ
ところで、この「気が長い或いは短い」といった現象は、ほぼ対人関係の中で起こると言っていいのではないでしょうか。昔できていたことがスムーズにできなくなって、自分で自分に当たり散らす、ということもなくはないのでしょうが、こっちはそれほど問題になるとは思えません。
やはり何と言っても、対人関係において相手に対してイラっとするか否かというのが、気が短くなったのかどうかのバロメーターになると思われます。その点に絞って自分を振り返ってみました。
私の事務所では、私が一番年上で、あとは様々な世代がいるとはいえ、とにかくみんな年下です。20代といった、飛びぬけて年齢の離れた世代の部下もいます。
世間でよく言われるのは、ジェネレーション間のギャップです。ここがなかなか埋まらないし理解し合えないので、年長の上司などがイラっとするという話はよく聞くところです。私はどうか、と考えてみました?
決めつけがちな昭和の価値観
話は少し脱線しますが、私の母は94歳、昭和の初めの生まれです。子供時代、青春時代、結婚して初老に至るまでどっぷりと昭和に浸かってきた世代ということです。
その母は、ジェネレーション論をよく展開します。いわゆる「私たちの時代はこうだったけれど、今の若い人たちはこうだ・・・」みたいな話が実に多いのです。
母から見れば、「近頃の若い人」というのは、20代はもちろんのこと、30代、40代、50代、60代までも含みます。私の世代にだって文句を言うのですから70代も「近頃の若い人」ということになるのでしょう。
さてそうなると、母はほぼすべての世代に対して批判的ということになります。ということは、日本に生きるほとんどの人間を敵に回しかねない、という話になりますね。
で、その批判の中身を聞いているとなんてことはありません。挨拶の仕方や礼儀作法ができていないから始まって、一般教養に欠けるとか、常識がないとかいろいろなことを言っています。
これに対して私は「そんな人、あんたの世代にだっていくらでもいたでしょ。若い人に限ったことではないよ。」と反論しています。そうなのです。いつの時代も礼儀知らずや常識外れの人間は必ずいるものですし、一般教養の中身も地域やその時代によって変わります。
若い頃の俺だって他人(ひと)のことは・・
私は「近頃の若い者は・・・」というセリフほど意味のないものはない、と思っています。そんなことを言い出せば、私が若い頃も同じように思われていたはずです。
そう、自分が若い頃どうだったか・・・冷静に思い出してみると、いろいろ批判されても仕方がないよな、と思い当たる節(ふし)はいくらでもあります。だから、他人(ひと)のことは言えません。
実はこのセリフ、私は使ったことがありませんし、考えたこともありません。ジェネレーションギャップが原因で、イラっとさせられる、ということもまずありません。
何か、他者に対して批判めいたことが頭に浮かぶ、とすれば、それは個人個人の資質や性格、態度に帰するだけのことです。ジェネレーションで区分する、といった切り方は、極力しないように心がけています。
むしろ上の世代にイラっとする場面が
さて、「年を取ると気が短くなる」というテーマから随分離れてしまいました。今の自分を振り返ったとき、まだそんなに気が短くはなっていないような気がするのですがどうでしょうか?
特にジェネレーションギャップにおいて、若い世代にイラっとするということはない、と思っています。むしろ逆に、上の世代にはイラっとさせられることが多いような気がします。
先述の何かと口うるさい母に対しても、そういつもいつも優しくしてばかりもいられません。特にジェネレーションで雑に分類されて、上から目線で批判などされたときは厳しく反論することもあるくらいです。
とはいえ、年老いた母を相手に、このあたりはもっと寛大にならなければ、それこそ「気が短くなった」という烙印を押されかねないことになりますね。短気は生理的な現象として起こってくる、という和田先生のお話ではありますが、私はできるだけ穏やかでのどかな人生を送りたいと思っているのです。
下の世代と遊んでいる方が楽しい
って言ったって、離れすぎ(^^♪