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さらなる重労働の数々―唯一無二の経験?!?クソの山のてっぺんから地平線を望む―Ⅱ

海江田博士

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テーマ:人生を考える

指が硬直するほどの水汲み仕事

ちょっと東京にいられない事情ができて、北海道へと逃亡した私。住み込み食事付きで働き始めた酪農家での仕事は、牛の糞の始末作業でありました。ひたすら牛の糞を一輪車に積んで牛舎の外へと運び出し、家一軒ほどの糞の山にさらに積み上げていくという日々です。
この仕事も結構きつかったのですが、今思い出してみると、或る意味、この糞の運搬作業より大変だったのは、水汲みの仕事だったかも知れません。こちらも毎朝毎夕、外にあった水道の蛇口からバケツに新鮮な水を汲んで、牛の飲料用に牛舎に運ぶというものです。
牛1頭に2,3杯は必要なので、重いバケツを両手にぶら下げて何往復もしなければなりませんでした。今考えれば、信じられないほど非効率な作業ですが、零細な酪農家だったので、いろんな設備に投下する資本がなかったのです。
そうやって、何回も重いバケツを運んでいると、腕に乳酸が溜まってきて、やがて両手の感覚がなくなるくらい筋肉が疲労してきます。そのせいだったのか、毎朝目が覚めると、両手の指が硬く固まっていて、指を自由に動かすことがなかなかできませんでした。手の指が自由に動かせるようになるまで、結構時間がかかったことを思い出します。

何とかなったのは若さゆえ?

そのほか力仕事としては、ギュッと固めた干し草の四角いキューブを運ぶということがありました。これを牛舎に運び、そこでほぐして牛のえさとして与えるのです。
この、旅行用トランクを2個重ねたくらいの大きさの直方体(干し草キューブ)は、重さが4,50キロのもあり、そのどこにも掴むきっかけがないこともあって、持ち上げるのには結構苦労しました。それを力に任せて、うんしょと担ぎ上げて運ぶ仕事をこなしていると、牧場主が珍しく「おめえ、なかなか力があるな。」とほめてくれました。
また、北海道の自然環境が厳しいな、と感じたのは寒暖の温度差が激しかったことに直面したときでした。昼間Tシャツ一枚でも暑いな、と感じる日もあれば、霙(みぞれ)の叩きつけて震えあがるほど寒い日もあったのです。そんな落差の激しい日々が、交互にやってくるという感じでした。
それでも、風邪一つひかず何とか過酷な労働をこなせたのは、異郷の地での緊張感と私がまだ若かったせいもあるのだろうと思います。それにしても、振り返ってみると、特に目的があるわけでもなく、単なる逃亡先として北海道を選んだのは正解だったのでしょうか?!?(知らんがな、そんなこと・・)

夫婦で取り組むには過酷過ぎるか?!

さて、私が住み込みで働いていた北海道の酪農家は、牧場主とその両親、牧場主の幼い娘の4人で暮らしていました。牧場主の奥さんの姿が見えなかったのは、2番目の娘がなにやら重い病気にかかっていたようで、町の病院に入院していたためその子にずっと付き添っていたからでした。
私は50日近く働きましたが、その間、その嫁が帰ってくることは一度もありませんでした。相手が小さな子供なので、離れるわけにはいかなかったのだろう、とは察せられます。
とはいえ今考えれば、家にはもう一人の娘もいるし、祖母ちゃんもいるのだから交代できないことはなかったのではないか、とも思いましたが、それでも、あの家に全く帰ってこなかったのは、私が従事した過酷な労働の一端を担っていたであろう彼女にとって、病院の付き添いは、或る意味つかの間の安息の時間だったのかも知れないな、とあとで考えました。
まあとにかく、そうやって人手が無くなった牧場としては、何としても働き手が欲しかったわけで、そこへのこのこやってきたのが私だったということです。今考えれば、あのきつい労働を夫婦でこなすというのは、よほどの覚悟がない限り無理だろうなあ、と思います。しかも休日というのが全くありません。現在の就労事情から言えば、まさにブラックの極みといってもいい労働環境でした。

一日5回食ってもなお痩せる!!

休日というのは全くありませんでしたが、一日のうちに休む時間はある程度ありました。一日中、忙しくしていたわけではなかったのです。
早朝、4時台に起きての仕事は2時間ほどで終わります。そのあと、軽く何かお腹に入れて休憩します。そして、普通の勤め人が働き始めるくらいの時間になってから、ちゃんとした朝食を取るのです。
午前中は、干し草を運んだり、畑の手入れをしたりといろいろな雑用をこなします。お昼は当たり前の時間に普通に昼食をとります。その後、夕方までまたいろいろな仕事をこなすのですが、特にやることのない日は、ここも休憩時間となります。
夕方、毎日の仕事である搾乳と水やり、糞の処理といったルーチンの仕事に取り掛かる前に軽く何か食べます。そして、メイン業務である牛の世話が終わった後、風呂に入ってちゃんとした夕食になるのです。
つまり、一日5回食事をとるということになり、普通の生活ならば、これは明らかに食べ過ぎです。それでも、労働が過酷過ぎてそんな感じは全くありませんでした。それどころか、そうやって一日5回も食べながら、私の体重はどんどん減っていったのです。
というわけで、食べることに制限をかけないでダイエットしたい、という人には、牧場での労働をお勧めします。多少の筋肉痛というおまけはくるものの、それまでの日常にも増して食べたとしても間違いなく痩せていきます。なおかつ、いい感じで身体が絞られていくことは保証いたします。ただ私には、頑張っても50日くらいが限度でしたが・・・

つづく


追記:いつも読んでいただきありがとうございます。
まあこの通り、いささかユニークな税理士です。
「こんな話、相談しても大丈夫だろうか?」
といったお話についても、どうぞ持ち込んでみてください。
なにかしらのご解答はお示しできると思います。
ご縁をいただければ幸いです。

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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