顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅱ
事業を俯瞰する、客観的に見る
私はこれまで、
「自分の行なってきた事業をいろいろな形(文章、言葉、映像など)で表現し、それを外に向かって「情報発信(アウトプット)」すれば、そのまま販売促進として機能しますよ。」
といった意味のことを繰り返し述べてきました。
それでは、自分で行なってきた事業を文章や言葉で表現するにはどうすればいいのでしょうか。それには、自らの事業を俯瞰して見る、客観的に見直してみるという作業が必要になってきます。
事業のトップというのは、自分のやって来た専門分野にのめり込んでいるために、普通自らの仕事を客観的に見るという習慣がありません。自分が普段提供している専門性や日々の仕事が他者の目にどう写るか、ということなど考えてみたこともないでしょう。
専門用語ではわからない
ところが、他者から見れば専門職の持つ不思議な世界というものはいくらでもあります。例えば私は、比較的マーケティングを得意分野としていますが、素人である経営者に向かっていきなり、その専門的な内容を次のような表現で説明したらどうでしょう。
「製造過程におけるコストは、顧客が製品に価値を認めるかどうかとは無関係な要素であり、むしろ、価格は、顧客の需要や競合製品との相対的な関係から見た製品品質との関係から戦略的に決定する必要があります・・・」
といった言葉を使ってまくしたてたならば、相手は目を白黒させるばかりか、下手をすれば強い拒絶反応を見せるかも知れません。
つまり、専門分野というのは自分ではわかっていても、一般の人にもそのまま通じるか、といえばそうはいかない世界でもあるのです。長年取り組んできた自らの専門分野というのは、これまでも述べてきましたように、上手に伝えればその世界を知らなかった一般の人にとって非常に興味深い対象でもあります。
面白さを伝えるためには・・
但し、その面白さを伝えるには、多少わかりやすく言語を変換する必要があるのです。専門性をそのままぶっつけたのでは、素人には何のことやらチンプンカンプンという事態も考えられるからです。
とはいえ、長年その世界にどっぷりと浸かってきた当人には、どこまでが専門的でどこからがそうではない世界なのか、その境界線が判然としません。そんなとき、先述しましたように、自らを俯瞰して見てみる、客観的に見た場合どうだろう?といった視点で考えてみる、という癖をつけてみたらどうか、と提案したいのです。
素人目線で見るクセをつける
そう難しい話をしているのではありません。自分と反対側、つまり顧客の側に立ったならばどうなるだろう?と想像してみるのです。例えば先ほどサンプルとして提示した小難しい文章は、価格(値段)を決めるときの考え方を述べたものです。「現代ビジネスにおける「価格」というのは、原価や経費がこれくらいかかったからといった条件で決めるものではなく、顧客側の事情や競合製品の動向を配慮して決定しなければならない。」といった意味のことを述べているのですが、表現がいかにも固いので、あのまままくし立てられたら、おそらく何を言っているのか理解不可能でしょう。
内容はあくまでも専門的に、しかしその表現はできるだけ分かりやすく、というのが、「情報発信(アウトプット)」をする際のコツのようなものです。そのためには、絶えず「俺の話は素人にもわかるだろうか?」といった、自分を客観的に見る癖をつけておいてはどうでしょうか、というのが私の提案です。
大事なお知らせ
「税理士法人アリエス」(旧「海江田経営会計事務所」)は、税金や経理について、きちんと基本を押さえた上での高度なサービスをご提供するのはもちろんのこと、グループ会社に下記のような企業を有しています。
・(有)リンクス・・・未来会計(経営計画)を基本ノウハウとしたコンサルティングを提供します。
・(株)メディアコネクション・・・「情報発信(アウトプット)」に関する様々な手法を販売促進につなげることで、事業の発展をサポートするコンサルティング会社です。
さて、このコラムは、上記の事業を展開する中で獲得した、主として「販売促進」につながるような手法や考え方を書いたものです。
税理士が、税務に関する専門的な知識を提供するのは当たり前のことに過ぎません。しかし、それだけではもったいない話ではないでしょうか。
せっかく多くの企業(当社では約300社)を顧問しているのですから、そこで知り得た様々なノウハウやレアケースといったものは貴重なビジネス情報といえましょう。それらの情報を、わかりやすい形でお知らせするのは、多くの経営者にとって興味深い話ではないでしょうか。
中でも、事業の発展(売上アップ)につながる「販売促進」についての情報は貴重であり、おおいに聞きたいところではないかと思います。「販売促進」について語れる「さばけた税理士」は、世の中にそう多くはいません。
このコラムを読んで「面白そうな税理士だな。」と思われた方は、是非ご一報ください。「さばけたお話」を交わすことができることをお約束いたします。
なお、「志布志」という立地について気にする必要は全くありません。高速網がつながってきたために、各地に出掛けることはそれほど不便ではなくなりました。また、当社では今回のコロナ禍以前から、テレワーク、リモートワークについてのノウハウはすでに蓄積済みです。今では、遠隔地であっても、対処可能な世の中になっています。
風光明媚な志布志の立地にあって、快適なビジネス環境の中で、皆さんの事業に関する高度なサービスの提供を目指している企業グループです。興味を持たれた方は、ぜひ一度ご連絡をいただければ幸いです。
毎日「サンフラワー号」が入出港する志布志港