販売促進について考える―まだまだ手薄な地方企業における販売促進戦略事情―Ⅲ
[「静」と「動」を使い分ける時代]
SNSへの投稿やメディアへの出演といった「動」の販売促進戦略としてのメディア活用は、それを見たり聞いたりしたときの瞬間的なインパクトは強いのですが、それは一過性のものであり、人の頭の中にそれほど長く残りません。
一方で、紙ものやHPなどの「静」の販売促進ツールは、見たい時にじっくりと見てもらうことができるため「動」が印象に作用するとすれば、「静」は確認作業を助けるものになります。
また「静」と位置付けられる印刷物も、近年まめに更新することが求められています。
というのは、情報の変遷が早く、いつまでも在庫にある古いパンフレットを使い回している訳にはいかないのです。
但しこの点も、昔に比べて対応がしやすい世の中になりました。
以前は印刷そのもののコストが高く、一度に刷るロット(枚数)については、その数が多いほど1枚当たりの単価は極端に割安になったものです。
しかし、印刷コストが下がった今は、小ロットで刷っても昔ほどの価格差はありません。
つまり、「静」の販促ツールである紙ものについても、ずっと静かに置いておくのではなく、必要に応じて頻繁に変化或いは進化させていける時代になっているのです。
一見「静」に見える印刷物なども、昔のように完全に「静」とはいかないのが現代の難しい所です。
こうやって更新された印刷物には、新たな情報発信の種(シーズ)が仕込まれているはずです。
それに対する顧客の反応を見つつ、次なる販売促進戦略をまた考えていくのです。
このように様々な媒体、ツール等を通じて、「静」と「動」の使い分け、更新、書き換えといった複雑な販売促進戦略を駆使しなければならないのが、現代の経営です。
しかし、何といってもその基となるのは経営者の情報発信に対する覚悟と姿勢です。
そのベース作り(私のコンサルティングでは「隠れ企業資産」の発見と発信)に関して怠りなく取り組まれることをお勧めしてやみません。
ペーパーでの情報発信
おしまい