顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅲ
[我々は既に大人である]
「入れ替わりもの」の映画の面白さは、入れ替わったその相手の気持ちや事情が、初めのうちはまるで呑み込めないことから起こるドタバタ劇にあります。
入れ替わっても、相手のことがすべて分かっていたならば、このテーマのエンターテインメント性自体が成立しないことになります。
同様のことがビジネスにもいえるのではないか、というのが私の考えであります。
ビジネス上でも、相手に対して思いが至らなければ、自分の側の都合でしかものを考えないでしょう。
そういう場面は、いたるところで見られるのです。
さて、再び映画に話を戻すと、入れ替わった当人たちは次第に相手の立場というものがわかってきます。
女の子は女の子の、男の子は男の子の、大人は大人の立場というものがあると理解するのです。
ビジネスで「相手の立場を理解する。」というと、何か駆け引きをうまく運ぶためのテクニックに長ける、といった意味にしか聞こえないかも知れませんが、決してそんなことはありません。
相手を理解しようと努めることは、自らの視野を広げることにも繋がるのです。
映画の中の入れ替わった主人公たちが、それぞれ成長するように、ビジネスにおいてもそこのところの想像力が働くようになれば、一段とレベルを上げることにもなるのです。
それは、相手からの信頼が厚くなり、頼りになる存在としてのポジションを築けるようになるからにほかなりません。
「ビッグ」では、主人公の少年も、大人の仕事上の駆け引きや恋愛事情などについても学ぶことになります。
そうすると、大人には子供の世界では及びもつかなかったような複雑な事情がいろいろとあることに気づき戸惑い、そういったものに触れることで成長していくのです。
我々は既に大人であります。
相手の立場に思いを寄せて、仕事上の配慮を怠りなく行なっていく必要があります。
そうやって、「入れ替わる」といったややこしい手続きを踏まなくても、気配り目配りができるようないっぱしのビジネスマンになっていくのではないでしょうか。
おしまい
今日の川柳コーナー
◆DX 説明聞いても ようわからん
IT,AI,と来て今度はDX・・・
世の中、アルファベットの2文字で成り立っているんかいっ!!