顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅲ
[相手がどう思考するか、が極めて大事]
「入れ替わり映画」の面白さは、入れ替わってしまった相手の、身体や頭や心といったものが、にわかには理解できず、慣れるまで時間がかかり、その間ドタバタしてしまうというところにある、といってもいいのではないでしょうか。
つまり、人は自分以外のことは、ほとんどさっぱりわかっていない、ということになります。
同様のことがビジネスにもいえるのではないか、というのが私の考えであります。
例えば「値上げ」一つとっても、そのことに対する理解を得るのは、容易なことではありません。
例えば「値上げ」には、相手に余力がある、付加価値が増す、相手にメリットがある、などの条件が必要です。
これらの条件が、きちんと相手に伝わるか否か、というのが成立するために必要なことなのです。
これらの条件を見てもわかると思いますが、こちらの事情によって「値上げ」といった要請を相手にしたとしても、相手は、そのことによって自分に明らかにメリットがあるか、或いはデメリットが特にないか、といった自分の都合でしか原則応じてくれないのです。
つまり、相手のあることで何かの要望を突き付けるときには、その相手がどう考えるか、ということに思いが及ばなければ、その要望は成立しない、といってもいいでしょう。
ことビジネスにおいては特にそうなります。
値上というのは、どちらかといえばネガティブな事例になりますが、逆の場合でも同じことがいえます。
何か前向きの提案や要望であっても、その内容が相手にとってどれだけメリットがあるか、という視点でしか考慮しない、と思っていた方がいいのです。
誤解があるといけないのですが、これは提案や要望に際して、やたらと遠慮しなければならないという意味ではありません。
相手がどう思考するか、というのは極めて大事と言っているのです。
ここに想像力が及ばないで、勝手にこちらの都合だけ押し付けていたのでは、現代のビジネスは成立しにくいと言っているのです。
これは「売り手市場」の時代は終わり、買い手がイニシアティブを握る「買い手市場」の時代に移ったということを意味しています。
良かれと思って提案しているのですが・・・・
つづく
今日の川柳コーナー
昨日の朝、新聞を見たら「働くパパママ川柳」という企画が紹介されていました。
その中で、取り上げられたいたものに次のような句がありました。
◆おうち時間 むしろ減ったよ ママの時間
お母さんの大変さが伝わってくるようです。
もう一つ
◆テレワーク ママより仕事 楽と知る
これは、お母さんの奮闘ぶりを見たお父さんの感想です。
◆ママお願い 子育て大変 母頼り
これはうちの娘たちが、カミさんを頼っている様子です。
というわけで
◆孫たちに 女房捕られて 独り飯
という現在の私がいるわけで(;´д`)・・・・・