顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅲ
[世の中は完全な買い手市場]
「入れ替わりもの」の映画が面白いのは、入れ替わったその相手の気持ちや事情が、初めのうちはまるで呑み込めないから起こるドタバタがあるからです。
入れ替わったとしても、そこがすべてツーカーで分かっていたならば、このテーマのエンターテインメントはそもそも成立しません。
同じことは、ビジネス上でも当てはまるのであり、何も考えなければ相手のことはまずわかりません。
売り手市場の世の中では、買い手の都合というものをそれほど推し量る必要がないため、「顧客の立場や気持ち」といったものにそれほど思いが至らないのです。
しかし、今や世の中は完全な買い手市場です。
モノやサービスは世の中にあふれ、人々はその中から最も自分に相応しいものをチョイスすることができます。
そのための情報も、また巷には溢れているのです。
例えば、扱っている商材の原価が高騰した場合、それを売価に転嫁するのは普通に考えることでしょう。
コストが上がったのだからやむを得ない、ということは理解されるだろう、と売り手の方は考えます。
ところが、その売価をなかなか認めてくれないのが現代の経済状況ということになります。
値上をしたならば確実に売上は落ちることになります。
特に、BtoBのビジネスの場合、おそらく値上げを打診された側はこう考えるでしょう。
「そちらの原価があがったのは気の毒だとは思うが、直接は私には関係がない。私のところだって、そちらの値上げ分を価格に転嫁することはできない。こっちも苦しい中、我慢して商売しているんだから、そっちも我慢してほしい。」
となるのではないでしょうか。
今まで多くのお客さんを見てきて、値上に関して認められるのは次の3つのケースだけではないかと思います。
1、販売先の業績が良く、こちらが値上げしてもそれを吸収するだけの余力を持っている。
2、今の商品に何かしらの付加価値がついて、これまでのものよりも明らかにグレードアップした。つまり、売り先が値上げしても大丈夫という確信を持たせることができる。
3、その取引先が今後業績アップする何らかの根拠を持っている。
モノは世の中に溢れています。
つづく
今日の川柳コーナー
◆居酒屋で 飯だけ食って 帰るとは・・
◆家飲みで 文句あるめえと 文句言う
酒飲みには辛い世の中でして・・・
【お知らせ】
海江田事務所は、少々不便な立地(かなり田舎なもので・・)です。
にもかかわらず(むしろそのために)極めて眺望の優れたリゾート施設みたいなオフィスです。
とても感じの良い(?)女性スタッフが淹れたてのコーヒーでおもてなしいたします。
これまでの税理士事務所のイメージを覆すような明るい雰囲気。
是非、一度遊びに来てください。
税務に限らず、経営全般のごご相談に応じます。
5年後の我が社が「見える化」できてすごくよかった、というノウハウもありますよ。
皆様のお役立てることを心掛けています。