したたかな人生、祖母の思ひ出―この人だけは敵に回したくないと思わせる人―Ⅰ
[向こう三軒両隣、仲良くみんなで暮らしましょう]
言いたいことが言えずに、つい余計なことを引き受けてしまう、サザエさんのお隣りのご主人とそれに怒る奥さん。
しかし
「言いたいことが言える性格だったら、お前とは一緒にいなかったわ。」
と、心の中でつぶやくこのご主人に共感する世の男どもは多いのではないでしょうか。
4コマ漫画から得た教訓の1つ目であります。
もう一つ驚くのは、昔の日本はお出かけするときお隣に
「出かけますので、留守中よろしくうちの方にも気を配っていて下さいね。」
と頼んでいたということであります。
もちろん「うちの方にも気を配っていて下さい。」とはっきり言葉に出して言う訳ではないのでしょうが、暗にそういう意味を含んでいることになります。
そうすると、それを聞いて引き受けた以上、隣のご主人みたいに自分は出かけることができなくなります。
何と密なる地域社会!
こんな「向こう三軒両隣、みんなで仲良く暮らしましょう」的なコミュニティーの上に日本社会は成り立っていたことになるのです。
今、例えお隣とそれなりに親しくしていたとしても、これはないよなー、と思わざるを得なません。
私は、この感覚がなんとなくわからないでもない世代ですが、もっと若い世代にはさっぱり理解できない感覚ではないでしょうか。
この漫画では、人の良い隣のご主人は、うっかり留守番役を引き受けてしまったために、自分のお出かけを棒に振ることになります。
そこまでの自己犠牲など、現代では到底考えられないことでしょう。
しかし、昔の日本では、それが違和感なく4コマ漫画に描かれる世界だった、ということになります。
昔と言っても、たかだか昭和の話であります。
こういった習慣や感覚がいいとも悪いとも私は思いません。
ただ、サザエさんに描かれているこういった世界は、当時の日常だったとはいえ、なんだか遠い夢物語のような気もするのです。
おしまい
今日の川柳コーナー
◆気がつけば 結構見ている ユーチューブ
◆ユーチューブ 勝負はほんの 短時間
1本1本は短いのですが、いつの間にか
トータルでは結構長時間見ていまして・・・