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生産性の違いは政府の財力に直結する?!?―製造業は、なぜ国産回帰できないのか?―Ⅴ

海江田博士

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テーマ:危機管理について

ラジオでは経済問題を取り上げています。



[経済全体の余力は緊急時の対応力の違いで顕在化する]


「生産性の低さ」と「薄利多売体質」という構造的な問題を抱える日本経済は、政府という政治の世界にも影響を与えているようである。
その問題に関して加谷氏は
「生産性の違いは政府の財力に直結する」
というタイトルで次のように述べられている。

―生産性の違いは、政府の財力にも直結する。生産性が高い国は、賃金も高いというのは経済学的な常識であり、賃金が高ければ消費も活発になるので税収が増える。
ドイツでは消費税率が20%近くもあるが(軽減税率あり)、賃金が高いので、日本のように消費増税で消費が冷え込むようなことはない。

 法人税の税収も堅調なので、政府は過去7年間赤字国債を発行していない。
ドイツは今回のコロナ危機で、従来の方針を切り換え、大規模経済対策に備えて赤字国債の再発行を決定した。
今回のコロナ危機では国内のフリーランスの就業者に、数十万円を即座に支払い諸外国を驚かせた。
これだけ財政が堅調であれば、国債の大増発や所得補償の大盤振る舞いなど、いとも簡単だろう。―

働く人の賃金が高いということは、所得税の税収が大きいということになる。
加えて消費税、法人税の税収も堅調であれば、政府の財力は強くなって当然である。

わずか10万円の給付金支給に右往左往している日本に比べれば、はるかに頼りになるように見える。
政府の財力の違いは、こういった緊急時に顕著に表れるようだ。

さらに医療体制についても、日独の違いを加谷氏は次のように述べられている。

― 税収が堅調だと医療体制にも余裕が出てくる。
ドイツは、欧州の中ではコロナウイルスによる致死率が低く推移しているが、これは充実した医療体制が大きく貢献している。
ドイツの人口あたりのICU(集中治療室)の数は日本の5倍近く、人口あたりの医師数も日本の2倍近くあり、コロナウイルスの検査を1日当たり5万件も実施している(さらに拡充される見込み)。
経済全体の余力は、緊急時の対応力の違いとして顕在化してくるのだ。―

上記を裏付けるように、テレビのニュースでも、ドイツでは医療体制にまだ余力があることを紹介していた。
日本では、医師会がいち早く記者会見の場において、医療崩壊の危機を宣言し、「ダメかもしれません・・」と完全に及び腰だった様子とは大きな違いである。



つづく

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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