突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅱ
[無形の企業資産「のれん」について考える]
我々会計人は時々「のれん」という言葉を使います。
企業を譲渡(売買)するときなどによく出てくる言葉です。
企業はいろいろな有形無形の資産を有しています。
通常、有形の資産(金銭や債券、不動産など)は、貸借対照表上にその評価額とともにきちんと表記されています。
しかし、その企業が営々と築いてきた「信用」「専門技術」「ノウハウ」「得意先ネットワーク」といった無形の資産は一切表現されていません。
考えてみればおかしな話で、これもその企業が持つ立派な資産といえます。
こういった無形の企業資産を、通常「のれん」と呼んでいるのです。
それだけで、なんとなく我々日本人には理解できる言葉ではありますが、専門的には「営業権」と言ったりしています。
例えば、ある企業の貸借対照表上の純資産が、仮に1億円だったとします。
その場合、M&A(企業売買)において、その1億円で売却されることは普通ありません。
これに必ず「のれん」(営業権)の代金がつくからです。
その企業の損益計算上の収益力が大きければ「営業権」の評価は高くなります。
1億が1億3千万にも1億4千万にもなる可能性もあるわけです。
あまり会計的な話を、細々(こまごま)としてもしょうがないので、この「のれん」と「ブランド」との関係を考えてみたいと思います。
「のれん」と「ブランド」・・おそらくかなり混同して捉えられているこの二つの言葉の意味には大きな違いがあるのです。
鹿児島の観光資産、桜島・・・本文とは特に関係ありません
つづく