突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅰ
[日米に見る会議風景の違い]
テレビドラマや映画を見ていると企業の会議風景というのがよく登場します。
特に、ビジネス上の様々な葛藤を描いたいわゆる「企業もの」においては、しばしばそのハイライトシーンで使われることが多いようです。
スーツ姿の重役がうち揃った重厚な会議室で繰り広げられる様々なドラマは、なかなか迫力があって面白いものです。
大抵は、トップのポジションを巡る派閥争いの勝敗が決まる、といった決定的なシーンなどでその重厚な背景が使われ、画面にリアリティを与えています。
すべてという訳ではありませんが、こういうシーンは洋画よりも邦画或いは日本のドラマに多いような気がします。
邦画には、日本的な派閥争いなどを描いたドラマや映画が多いからでしょう。
登場人物もそのほとんどがネクタイにダークスーツ姿、年齢的にもほぼ中年以上の男性が中心となってドラマが展開されます。
一方、ITやネットワーキングサービスの新興企業を描いたアメリカ映画などでは全く違う風景がそこにはあります。
日本の会社の企業風景に比べて、年齢的にはかなり若く、ネクタイを絞めた人物なんて一人も登場しないことも多いのです。
もちろん、派閥争い的な場面が描かれることもありますが、どちらかといえばアイディア出しのフリートークみたいな会議が多いのが特徴です。
日本的な目から見れば、みんなお世辞にもお行儀がいいとは言えず、ジャンクフードを食べたりコーラを飲んだりしながら勝手なことを言い合っています。
日本はこんな風にお行儀がいい。
つづく