専門領域と一般領域の境界―大事だよね、退屈させない専門性の伝え方―Ⅲ(おしまい)
税理士を取り巻くワンパターンのイメージ
私は「南九州税理士会」の広報部門を長く担当してきました。
今、広報としての肩書は特にないが、鹿児島県の広報としては、ラジオやテレビの出演はずっと続けています。
そういった関係で、マスメディアの担当者とお話をする機会も多いのです。
そんなとき、いつも感じるのは
「税理士というもののイメージが、私と彼らでは随分ギャップがあるなあ・・」
ということです。
放送収録とかの関係で、年明けからお会いすることが多いのですが、そうすると、必ず「これからお忙しくなりますね。」「繁忙期に入りますね。」といった意味の挨拶が返ってきます。
税理士の仕事についてほとんどご存じない方は、こんな挨拶すら思いつかないのでしょうが、多少我々について予備知識のある方であれば上記のようなご挨拶を受けることが多いのです。
ま、確かにその通りであります。
せっかくこういった挨拶をしていただいているのに目くじらを立てることもないのですが、そんなとき私はいつもお腹の中で
「別に忙しいのは今だけじゃないんだけどなあ・・忙しいといえば1年中忙しいし、個人の確定申告は数ある業務の中の一部なんだけど・・・」
といったようなことを考えているのです。
普段、ルーチンとしての仕事があって、そこへこの時期個人の確定申告が集中するわけですから、忙しいし稼ぎ時であることに間違いありません。
しかしながら、統計を取った訳ではありませんが、父(税理士)の全盛時代の30年くらい前と今では個人の確定申告の処理件数はかなり違ってきているのではないでしょうか。
おそらく相当減ってきているのだろうと思われます。
テレビでは毎日のように「確定申告はパソコンでお手軽に・・・」といったCMが日常的に流されています。
税理士以外の申告代行のルート(業者等)もそれなりに存在しているのです。
我々税理士に仕事として流入する確定申告件数は、これからも確実に減少していくだろうと思います。
つまり、
「(個人の)確定申告」=「税理士の仕事」
という図式はかなり限定的なものになりつつあるのです。
確定申告時期の税理士会のテレビCM放送です。