若者から見た「ズレ」への共感について―現代日本の様々な矛盾点を考えてみる―Ⅶ
以前、テレビ番組で
「昔使っていたいろいろな道具が今の若者や子供にわかるか、理解できるか、実際に使えるか?」
という特集をやっていました。
カン切りや栓抜き、ダイヤル式電話などをどうやって使うか、子供たちや若い子にやらせてみるのです。
カン切りでカンのふたにブスブス穴をあける子や、栓抜きを逆さまに持つ子がいたりして、昔(といってもまだ一部現役な訳ですが・・・)の道具は彼らにはチンプンカンプンのようでした。
なかでも可笑しかったのは、ダイヤル式電話を二人の若い女の子が触っていたときのシーンです。
どう扱っていいのかわからないので、ダイヤルの穴のところを指で押したりしています。
とにかく回すという発想がないために、ひたすらいろんな場所を押しまくっていたのです。
やがて、スタッフに
「ダイヤルのところを回すんだよ」
と教わって、回るのを見たら
「キャハハ、回った、回った!!」
と大笑いしていたのです。
あんまり喜ぶので、スタッフの一人が
「回るとそんなに可笑しい?」
と、少し不思議そうに聞いていました。
私はこの場面を見ていて、道具に対する知識や意識、できるかできないか、ということよりもその「笑いのツボ」に興味を持ったのです。