スタイリスト、「服育」の勧めⅡ
こう考えてくると、表面的に見えている「顧客ニーズ」というのは結構曲者(くせもの)ではないか、と思えてきます。
顧客は、いつでも案外短絡的にしか考えていないかも知れないのです。
「安けりゃいい」「面倒じゃなければいい」「楽な方がいい」くらいにしか考えていないのではないかと、疑ってみる必要性があります。
こんな風にしか見えない「顧客ニーズ」の表面のみを、いつもいつも後ろから追いかけているだけだったら、やがて志(こころざし)の低い商品、サービスしか提供できなくなってしまうのではないでしょうか。
つまり、こういった表層的なニーズにのみ応え続けたとしても、真似されやすいでしょうし、顧客側もすぐに飽きてしまうということです。
もちろん「顧客ニーズ」を全く無視してビジネスは成り立ちません。
しかしながら、それだけに振り回されるのは却って危険なのです。
ビジネスを仕掛ける側は、常にその奥にある「ウォンツ」を見抜こうとする姿勢を持ち続けなければならないのです。
この真の「ウォンツ」を見極める目を持つのはなかなか難しいことです。
しかし、自らの仕事を志の高いものにするためには、そこのところの努力を怠るわけにはいかないのです。
おしまい