もったいないよな~この景色―海のロケーションと日本文化を考える―Ⅲ
先日、休日を利用して家内と錦江湾の方までドライブに行きました。
錦江湾は奥行きの深い湾なので波は静かです。
海岸は細かい起伏に富んでおり、対岸には指宿方面の緑と開聞岳の美しいシルエットが眺められ格好のドライブコースです。
ただ、昔から不思議に思っているうことがあります。
私の住む日南海岸の海岸線もそうなのですが、この美しい錦江湾を望む海岸線にも海のロケーションを活かした気の効いたレストランなりくつろげるカフェなりがほとんどないのです。
海外にしょっちゅう行っている長女も嘆いていました。
「欧米ではちょっときれいな海岸線があると、そのロケーションを活かしたレストランなりカフェが必ずと言っていいほど昔から営業しているものだけど、日本にはそういう施設が少ないのよね。」
長女も私や家内と同じことを感じていたようなのです。
(これは自宅から見える海のロケーション)
確かに私も海外経験がそれほど多い訳ではありませんが、映画などを見るにつけても
「欧米には、海辺のしゃれたレストランやセンスのいいカフェなどが多いよなあ。」
とは思っていました。
そんな海外のイメージで探してみても、日本では、特に田舎の海っ端では絶望的にその手の施設は見つからないのです。
これは推測ですが、おそらく日本では台風という自然災害に昔から頻繁に見舞われていたために、海岸近くに接客施設を作っても仕方がないという事情もあったのだろうと思います。
それに自然同化型の日本の文化では、バリっとした施設を作って、迎える人、訪れる人、と分けるよりも、弁当かなんか広げて何となく海辺に溶け込むという形態を選んできたのかも知れません。
いずれにしてもロケーションの選定を優先順位の第1番にもって来て、多少その他のことには目をつぶろう、という趣旨の施設は数少ないように思えます。
つづく