顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅲ
この事実ひとつを見ても
「(税理士は)資格でやっている仕事なのだから、頼む方がこちらの仕事内容を理解していて当然だ。」
という理屈は通らないし、親切ではない、ということがわかります。
ということは、私たちはもっともっと自らの職域やその特徴について、それを伝える努力を怠らないようにしていかなければならないのです。
そしてこれは決して税理士だけに当てはまる話ではありません。
ほかの職業についても同じことです。
人はそれぞれ自分の持つ専門性に関して、ある程度こちら側が想定しているその領域については、一般的にも理解されているだろうと思い込んでいます。
またそういう前提で仕事を進めてもいるのです。
ところが、実際はこっちが思っているほどその専門性は深く理解されているわけではありません。
よほどの勉強家か、かなり切羽詰まっているか、相当興味でも持たない限り、他人はそれほど積極的にこちらの専門性について理解しようという姿勢があるわけではないのです。
ということは、待ちの姿勢では仕事は動かないのだ、と覚悟すべきでしょう。
よっぽどこちらから何かしらの手段をもって仕掛けない限り、我々の持つ専門性について正確なところは伝わらない、と思った方がいいのです。
つづく