顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅱ
如何なる職業であっても、顧客を獲得し、その顧客に提供した仕事に対する対価(ふつうは金銭)を払ってもらわなければビジネスとして成立しません。
これは誰が何と言おうと厳然たる事実なのです。
そう考えたときに、その対価を払う仕事の内容が、顧客となるであろう候補者達にどれほど知られているのか、という点を、まず考えなければなりません。
また、対価を払うに値すると思われるのか、ということも重要なポイントになってきます。
例えば、税理士という職業を、どれほど人々が理解しているのか、ということです。
一般的には、何となく「税金の人・・・」くらいにしか思われていないのではないでしょうか。
だから、
「税金に関して困ったとき、どうしても聞かなければわからないような状況が生じたとき」
にしか接点を持とうとは思わないのではないか、と推察するのです。
顧問契約という形態で結ばれている事業者である経営者以外の立場の人とは、普通の場合ほとんど接点がないのが私たちの職業です。
加えて「税金」という奴は、厄介なもの、小難しいものというイメージが強いといえましょう。
税金に関することは、どうも面倒そうだから、できれば深く関わりたくない、避けられるものであれば避けてしまいたい、という意識が一般的には強いのではないでしょうか。
つづく