販売促進について考える―まだまだ手薄な地方企業における販売促進戦略事情―Ⅵ(おしまい)
さて、そういった過去の話はともかく、ものが売れなくなった今、こちらから営業なり、販売促進なりを仕掛けなくてはならない時代になりました。
どうも、ただ待っていてもいつまでも儲かりそうにありません。
しかし、その「やり方」が学習されていない、と書きました。
先代(親)にそのノウハウがないために、そこからは学べないのです。
だとすれば、ここはどうあっても外部にその先生を見つけなくてはなりません。
または、自分であれこれと試行錯誤をしてみるということになります。
ただ、試行錯誤をするにもその根っこになるシーズ(種)は必要なので、やはり、どこかでは一回は、そのきっかけを学ばなければならないでしょう。
私の場合は、東京でマーケティングの仕事を生業(なりわい)にしていたという経験を多少なりとも活かすことができました。
私は、たまたまそういった特殊なキャリアがあったので、自分でいろいろと考えることができたのです。
しかし、そんなキャリアもなく、外に学ぶといってもそう簡単ではない一般の後継者はどうすればいいのでしょうか。
まずできることとして、この種のシーズを手に入れる最も具体的かつ現実的な方法は、自社のHP(ホームページ)を持つことだと思います。
自らのHPをまず持って、それをあれこれ動かすことで、ある程度新しい販売促進の手法や考え方は手に入ります。
今振り返ってみれば、私自身も田舎に帰ってからまず手を付けた販売促進らしい販売促進といえば、事務所のHPを持ったことだろうと思います。
そこを起点に、試行錯誤を繰り返すことによって現代的な広告宣伝や販売促進の手法は磨かれていくのです。
もちろん、HPがすべての問題を解決するわけではありませんが、当初のきっかけとなることだけは間違いないといえましょう。
HPと同時にお勧めしたいのは、販売促進用ペーパーツールの作成です。
いわゆる「紙もの」には、会社案内、リーフレット、商品パンフレット、お問合せ用チラシ、イベント案内、など必要に応じて考えればいろいろな種類があります。
デジタル案内としてのHP、アナログ案内としてのペーパーツール、両方にそれぞれ役割や使い方の特徴があり、いずれも事業をやっている以上、欠かすことのできない販売促進ツールです。
こういった販売促進のツールも何もなしに経営を進めるのは、丸腰で戦いに挑むようなものです。
現代の販売促進は、多角的多重的に様々な角度から戦略的に仕掛けていくものなのです。
おしまい