税理士に関するよくある誤解に答える―私たちの存在を正しく知っていただくために―Ⅲ
例えば、我々税理士が、一般の方に税務や会計について、極めて専門性の高いお話をしてもおそらくチンプンカンプンでしょう。
それが、専門用語の羅列であればなおさらです。
よほど予備知識の豊富な人か、もともと税務会計に興味津々といった人でなければ面白くもなんともないのではないでしょうか。
なおかつそんな人が世の中にそれほど多くいるとも思えません。(たぶん、ほとんどいないでしょう。)
我々税理士が専門領域についてことさら詳しく話しをするのは、同業者が集まった研修や勉強会の時に限られます。
当り前の話ですが、このときは、専門用語を駆使しようが、細かい点をいくら掘り下げようが一向に構いません。
この点は、業界紙や専門誌に寄稿するときも同様です。
専門性がかなり深くなるために業界用語や専門用語を駆使することになります。
その代わり、うっかりした事を書くと同業者からの鋭い突っ込みが予想されるので油断できません。
一方、税法が改正されたり、会計の制度が変わったりしたときには、必要に応じて一般の方にもその内容をお伝えすることになります。
例えばそれがセミナーであれば、できるだけ分かりやすく解説しなければなりません。
その際に、我々の専門用語を駆使して微に入り細に入り話したら、おそらく聞いている人はその何分の一も理解できないでしょう。
というより、そもそも受け入れてもらえないだろうと思います。(たぶん寝てしまう(笑))
これとは全く正反対に、専門性に何の関係もない話というのもあります。
例えば、業界紙などに寄せられるコラムや随筆の類(たぐい)です。
大抵はペットの話、孫との触れ合い、山登りや旅行の思い出、そのほか趣味嗜好の話が多いものです。
こういった話は、書き手が別に税理士である必然性は何もありません。
ごく一般的な話題として提供される訳です。
ただ正直言って面白いものはほとんどない、と言っていい。(すみません・・・)
他人(ひと)の旅行記など、よほどユニークな視点を持った人か、仰天のエピソードでもない限り第3者からは退屈な代物にすぎません。
孫やペットの話はなおさらのことです。
つづく