顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅱ
音楽産業は、ネット配信というテクノロジーを得て、もう一段大きな曲がり角を迎えました。
音楽の流通のあり方がまるで変ってしまったのです。
この音楽配信事業もマーケティングから発したものではありません。
テクノロジー優先で、消費者の方が「ああ、これは便利だ!」と後ろからついてきたものなのです。
その後、後付けで様々なマーケティングニーズが生まれたのです。
ものごとというのは、テクノロジーやアイディアの革命的な進展と、それを追いかけるマーケティングの発展が交互に絡み合っています。
技術革新と市場ニーズ対応ということで言えば、マーケティングがしばらく先行すると、やがて大きな技術革新が起こります。
あるいはその逆もあります。
マーケティング的視点を持つと、こういったことが繰り返される時間軸の複雑な絡みの中で様々な産業が発展してきたことがよくわかるのです。
世の中の変化にはすさまじいものがあります。
もう何が起きても不思議ではなくなりました。(9,11にしろ3,11にしろ、その後の原発にしろ)
特にインターネットの発達はいろんな意味でものごとの壁を取っ払ってしまいました。
なんにせよ「こんなことはできないかも・・」という心理的障壁を限りなく取っ払ってしまったのです。
思いがけず、何かが変化するかも知れません。
可能性を常に秘めているのが今の世の中なのです。
ニーズの変化も激しいですが、ウォンツの可能性も無限にあるのです。
おしまい