自閉症の青年を草なぎ剛が演じたドラマ「僕の歩く道」
自閉スペクトラム症の特性について
一口に発達障害と言っても色々な障害が含まれています。
その中でも昨今よく話題とされるのは、いわゆる「自閉スペクトラム症」と言われる一群の方々です。
彼らの特性にはある特性が共通して見られ、それを診断の基準とされているのが現状です。
少しそういうことについて触れてみようと思うのですが、実際には十人いれば十人十色で共通する傾向はあるものの、その程度は人によって違うというのが実情です。
その点を含んだうえで読んでください。
自閉スペクトラム症の特性として挙げらるのが、大きくは次の二つです。
1)対人社会性の困難
2)想像力の欠如
他にもいくつか、共通して見られる特性はあるのですが、とりあえずこの二点について考えてみます。
対人社会性の困難とは
まず、一つ目の「対人社会性の困難」と言われる点で点ですが、ものすごく簡単に言うと、相手の気持ちを想像することが苦手だ、と言うことです。
例えば、ここにお菓子があるとして、「一つどうぞ」と言って差し出したものの、相手の方は遠慮して「いえ、今は結構です」と言われたとします。しかし一般にはよほど親しい間柄でない限り、ちょっと遠慮するのが一般的ですから、「ははぁ~、この方は遠慮されたのだな」と想像して、もう一度さりげなくお勧めしますよね。
ところがその相手の気持ちを想像するという力が弱いと、「ああ、そうですか」と言って、結局自分一人でパクパクお菓子を食べてしまう、と言うことになるでしょう。もちろん悪意はないのですし、事実相手の人は「いえ、結構です」と言ったのですから、論理的に言うと何ら問題はないのですが・・・。
相手の気持ちがわかるには・・・
では、相手の気持ちがわかるということはどういうことなのでしょう?
たとえばこう考えればわかりやすいと思います。
ある日、あなたは部屋をうろついている時に、思わずたんすの角で、足の小指を思い切りぶっつけてしまいました。「あ、痛ったぁ~!!」誰でも一度や二度はこういう経験あるでしょう。足の小指は本当に痛いんです。
そして数日後、あなたはA君が同じようにたんすの角で足の小指を思いっきり打ちつけた瞬間を目撃しました。
「うゎ!痛いだろうな~!!足の小指は痛いんだ。俺にも覚えがあるよ。」簡単に言うと、これが相手の気持ちがわかった(想像できた)瞬間です。
つまり、自分がこういう時には、こういう思いをした、と自覚できているから、同じような状況の相手の気持ちがわかります。
自閉症スペクトラムの子供たちが、「相手の気持ちがわかりにくい」といわれるのは、実は「自分自身の気持ちに気がついていない」と言うことが背景にあるのだろう、と思われます。
決して悪意や冷たい性格だから、というわけではないのです。
そのことをぜひ知っておいて下さい。
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