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岸井謙児

カウンセリング歴35年、経験と信頼のカウンセリングのプロ

岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

カウンセリング・オフィス岸井

コラム

Q:「子どもに接する時に注意したいことは?」<7> 「ほめること」「無視すること」「叱ること」

2014年6月3日

テーマ:子どもとどう接すれば良いか

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

さて、今日は「ほめること」「無視すること」「叱ること」について。

子どもとの接し方を解説した本では、ほぼ間違いなく「ほめること」の大切さを強調してあります。
しかしその本を読んだ時、多くのお母さん方は次の二つのことを思い浮かべるのではないでしょうか。

一つ目は「私はほめるのが上手じゃないんです、苦手なんです」
そして二つ目は「そんなにほめてばかりいたら、子どもを甘やかすことになってしまいませんか?」

ご心配はごもっともです。
確かに「ほめる」のはそれなりのコツが要ります。まして、日本人はほめる文化ではありません。
だからほめるが得意じゃないのは、お母さんだけでなくみんなそうなんです。
逆に自分がほめられたら、なんだかむず痒くなって来たり・・・。

それが二つ目の「甘やかすことになりはしないか」につながります。
ほめていい気にさせたら調子に乗って、増長しやしないか?
我慢することも覚えさせなければ・・・。

確かにそうなんです。「ほめる」と子どもは「甘やかされて、増長してしまう」のです。

ただしそれは「ほめる」ことが「おだてる」ことになってしまっている場合です。
「ほめること」と「おだてること」は違うのです。

何がどう違うって???

要するに「おだてる」場合は、必ずこちらに「シタゴコロ」があるのです。
「おだてて」子どもを操ろう、という「シタゴコロ」です。
そうでしょ?
気になる異性に「下心」がある時は絶対に「ほめる=おだて」ますよね。

子どもを「ほめる」時は、子どもを自分の思い通りに操るのではなく、「こういう風に行動することが正しいのだ」ということを伝えるために「ほめて」下さい。「シタゴコロ」ではなく、行動の仕方を「教える」という感覚です。だから無理にほめなくても子どもが正しい行動を見せた時に、「そうそう」とか「それでいいよ」とか「上手にできたね」で良いのです。

要は子どもが「これで良いんだな」と実感できれば良いのです。

逆に「叱る」時は、決して子どもを罰するために行うのではなく、「こういう行動はいけない」ということを伝えるために、冷静にしかしきっぱりと叱って下さい。

そして、「こういう行動をしてはいけない、こういう行動をするのが正しい」と言うことを彼らに伝えた上で、それでも彼らが「出来ない」時、あるいは反抗して「やらない」時は「無視をする」ことをお勧めします。

と、言うのは「分かっていて出来ない」のならば「出来るまで時間が必要」なのでしょう。待ってあげましょう。誰だって、最初は初心者です。若葉マークの初心者ドライバーに大声で怒鳴りつけたら、余計に委縮して事故ってしまいます。

もし「反抗してやらない」のならば、その挑発に乗ってはいけません。
乗ってしまって説教でもしようものなら、相手の思うつぼです。

「ほめる」こと、「無視する」こと、「叱る」こと、この3つを使いこなせれば素晴らしいのですが、すぐに出来なくてもかまわないのですよ。

「やろうとすること」自体が、大切なのだと私は思っています。

いかがでしょうか?

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