Q:「子どもに接する時に注意したいことは?」 <5> 「壊れたレコードのテクニック」
Q:「私の育て方が悪かったのでしょうか?」
A:子どもが自分の思うように行動してくれなかったり、思いもよらない問題な行動を起こしたりするときに、こういう問いかけをご自分に投げかけられる親御さんは少なからずおられることでしょう。その気持ちを直接お話しされる方もおられれば、口にはしないけれど内心自分を責めているお母さん方もいらっしゃいます。
果たしてこどもの問題を(主に)母親の育て方に結びつけられるものなのでしょうか?
私は子どものあり方には次の3つの要素が影響していると思っています。
それは
1)生まれ
2)氏
3)育ち
一つ一つについて少しまとめてみます。
その一つ目は「生まれ」
「生まれ」とは子どもが生まれ落ちた時にすでに抱えている「生物学的な要因」のことです。
例えば、遺伝的な素因や、身体的な障害、脳の器質的な問題などですね。
それらの要因が子どもの気質や特性、性格の特徴に影響を与えていることも多いようです。
特に最近の発達障害と言われる子どもたちの中には、明確に障害と認められるほど顕著ではなくとも、何かしらこだわりが強かったり、場面にそぐわない行動をしてしまいがちな子どもたちもいます。
こういう子供たちについては、母親の育て方と言うよりも「生まれ」の影響が強いということができるでしょう。
これについては、現実を受け入れて前向きな取り組みをしてくのが一番なのですが、それでもやはり自分の腹を痛めて産んだ母親はどうしても自分に何らかの原因があったのではないかと、後ろ向きに自分を責めてしまいがちになります。
しかし別に故意にそういう結果を求めていたわけでは毛頭ないのですし、母親が責任を負う必要はないのは確かです。
それよりも、「これからどうすればよいか」を考えることの方が必要だと私は思っています。
二つ目は「氏」
これについては次回に。