【親子問題】親子間の暴行・傷害は立件されるのか|特例が及ばない範囲
この記事は、当事務所が親御さんからご依頼を受けて親子の問題に介入する場合の、一般的な報告の進め方を説明するものです。報告の方法や頻度は、ご家庭の事情に合わせてご依頼の際に取り決めます。
弁護士に依頼すると、子への連絡や話し合いは弁護士やカウンセラーが担うことになり、親御さんが子と直接やり取りする場面は少なくなります。そのため、「子がいまどうしているのか分からなくなるのでは」と心配される方は少なくありません。
当事務所の親子問題への対応では、弁護士が親御さんの代理人として子と向き合い、自立支援カウンセラーが子の日常の生活を支える形で役割を分けています。この記事では、依頼中に子の様子がどのような形で、誰から、どの程度の頻度で伝えられるのかを整理します。あわせて、報告されないことや、報告を受けた親御さんが気をつけたい点も取り上げます。
依頼中の報告には二つの流れがある
依頼中の報告は、大きく分けると弁護士からの報告と、カウンセラーからの報告の二つがあります。担当する役割が異なるため、伝えられる内容にも違いがあります。
| 報告する人 | 主に伝える内容 | 報告の性質 |
|---|---|---|
| 弁護士 | 子への通知や話し合いの経過、子からの要求や連絡の内容、警察などとの連携状況、方針の相談 | 代理人としての事件処理の報告 |
| 自立支援カウンセラー | 住まいや仕事の状況、生活のリズム、金銭管理の様子、気持ちの変化 | 生活の支援を通じて見えた様子の共有 |
弁護士は法的な手続や交渉の窓口であり、カウンセラーは子の生活の土台を一緒に作る立場です。役割を分ける理由については、【親子問題】弁護士とカウンセラーが組むという形|役割を分ける理由で詳しく説明しています。
弁護士からは何が報告されるのか
弁護士に事件を依頼する関係は、法律上は委任契約にあたります。民法645条は、受任者は委任者から求めがあればいつでも事務の処理状況を報告し、委任が終わった後は遅滞なく経過と結果を報告しなければならないと定めています。また、日本弁護士連合会の弁護士職務基本規程36条も、弁護士は必要に応じて事件の経過や結果に影響する事項を依頼者に報告し、協議しながら事件を進めることとしています。
親子問題の依頼でいえば、弁護士から報告される事項は主に次のようなものです。
- 子に通知を送った日と、それに対する子の反応。
- 子から弁護士に届いた連絡や要求の内容と、それへの対応。
- 自宅訪問や面談を行った場合の、その場でのやり取りの概要。
- 警察や行政機関との連携の状況。
- 転居の時期や親からの経済的な援助など、親御さんの判断が必要な事項。
- 当初の方針を見直したほうがよいと考えられる事情。
特に、方針の変更や金銭の負担にかかわることは、親御さんのご意向を確かめずに弁護士だけで決めることはありません。報告と相談はひとまとまりのものとして進めます。最初に子へ送る通知の内容については、【親子問題】弁護士から子に最初の連絡が入るとき|通知で伝えることも参考になります。
カウンセラーからは子の生活の様子が伝えられる
子が家を出て暮らし始めた後は、カウンセラーが日常的に子と連絡を取り、生活の基盤づくりを支えます。住まい探しや仕事探し、必要に応じた生活保護の申請のサポート、日々の金銭管理、悩みごとへの対応などがその内容です。
こうした関わりの中で見えてきた子の様子が、親御さんに伝えられます。たとえば、次のような事柄です。
- 新しい住まいでの暮らしぶりや生活のリズム。
- 仕事探しや就労の状況、収入を得る手段の見通し。
- お金の使い方や、生活費の管理がうまくいっているかどうか。
- 通院している場合の受診の状況。
- 親御さんに対する気持ちや、本人が口にしている今後の希望。
自立に向けた歩みは一直線には進まないことが多く、仕事が続かなかったり、気持ちが不安定になったりする時期もあります。報告では、うまくいっていることだけでなく、つまずいていることもお伝えします。支援の期間は、家を出てから少なくとも半年程度を目安としていますが、子の状況によって変わります。
報告の方法と頻度
報告の方法や頻度は、ご家庭ごとに取り決めます。親御さんのお仕事の都合や、ご家族の中で誰が報告を受けるかによって、適した形は異なります。
定期的な報告
大きな動きがない時期でも、一定の間隔で経過をお伝えする形をとることが一般的です。電話、メール、LINEなど、親御さんが受け取りやすい手段を使います。直接お会いして、まとめてお話しすることもあります。
動きがあったときの随時の報告
子への通知に反応があったとき、転居や就職が決まったとき、子から親御さんへの要求が届いたときなど、節目となる出来事があれば、その都度お伝えします。子が暴れるおそれがあるなど安全にかかわる事情があれば、時間帯を問わずできるだけ早く共有し、必要に応じて警察との連携も検討します。
親御さんから様子を尋ねたいとき
報告を待つだけでなく、気になることがあれば親御さんからお問い合わせいただいてかまいません。先に述べたとおり、依頼者から求めがあれば状況を報告することは受任者の務めでもあります。「こんなことを聞いてよいのか」と遠慮される必要はありません。
報告されないこと・すぐには伝えないこと
依頼者は親御さんですが、支援を受けるのは成人した子本人です。子にも自分の生活やプライバシーがあり、カウンセラーとの信頼関係があってこそ支援が続きます。そのため、子の様子のすべてをそのままお伝えするわけではありません。
たとえば、子がカウンセラーにだけ打ち明けた個人的な悩みや、交友関係の細かな内容などは、本人の了解なくお伝えしないことがあります。また、子の住所を親御さんにお伝えするかどうかは、それまでの経緯や子の意向、安全面を踏まえて慎重に判断します。お伝えする場合でも、親御さんから直接訪ねていくことは控えていただくようお願いすることがあります。
一方で、子の生命や身体に危険が及ぶおそれがある場合や、親御さんの安全にかかわる場合には、必要な範囲でお伝えします。報告の範囲をどう線引きするかは、ご依頼の初めに考え方をご説明し、ご納得いただいたうえで進めます。この構造に伴う注意点は、【親子問題】契約するのは親、支援を受けるのは子|この構造のリスクでも取り上げています。
報告を受けた親御さんが気をつけたいこと
報告の内容によっては、すぐに子へ連絡を取りたくなることもあると思います。ただ、弁護士やカウンセラーが窓口になっている間に親御さんが個別に動くと、子が混乱したり、それまで積み重ねてきた話し合いが振り出しに戻ったりするおそれがあります。
- 報告を受けて子に連絡したいと思ったら、まず弁護士かカウンセラーに相談すること。
- 報告で知った内容を、ほかの親族などに広めないこと。
- 一度の報告の良し悪しで判断せず、しばらくの経過を見ること。
- 報告の日付と内容を手元に控えておくこと。
報告の記録を残しておくと、後から方針を振り返るときや、ご家族の間で状況を共有するときに役立ちます。子が独立した後、時間が経ってからの連絡の取り方については、【親子問題】独立した後に連絡が来なくなったら|安否確認の順序と「報告の枠組み」もご覧ください。
報告の取り決めはご依頼の最初に
報告をめぐる行き違いを防ぐには、ご依頼の段階で次の点を話し合っておくことが大切です。
- ご家族のうち、誰が報告を受ける窓口になるか。
- 電話、メール、LINE、面談のうち、どの手段で報告を受けるか。
- 定期的な報告をどのくらいの間隔で行うか。
- 夜間や休日でも連絡を受けたい事柄は何か。
- 報告の内容を共有してほしくないご家族がいるか。
ご夫婦で方針が分かれている場合や、きょうだいも関わっている場合は、窓口を一つに決めておくと情報が錯綜しにくくなります。ご依頼から自立までの全体の流れは、【親子問題】子の暴力・ひきこもり・お金の無心・犯罪行為に悩む親御さんへ|ご相談から自立までの流れと費用、よくあるご質問にまとめています。
よくあるご質問
遠方に住んでいても報告は受けられますか
受けられます。当事務所は北海道から沖縄まで全国のご家庭からご依頼をお受けしており、報告は電話やメール、LINEなどで行います。必要に応じてオンラインでの面談も検討します。
子がカウンセラーとの面会を拒んでいる間は、何も分からないのですか
子が支援を受け入れていない段階では、カウンセラーから伝えられる生活の様子は限られます。ただ、弁護士への連絡の有無や内容など、分かる範囲のことはお伝えし、関わり方の見直しも含めてご相談します。子が拒んだ場合の考え方は、【親子問題】カウンセラーと会うことを子が拒んだ場合で説明しています。
報告の内容を子に知られることはありますか
親御さんからのご相談の内容や、弁護士が親御さんにお伝えした内容を、ご了解なく子に伝えることはありません。弁護士には守秘義務があります。詳しくは、【親子問題】相談内容は子に伝わるのか|守秘義務と連絡の取り方をご覧ください。
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依頼中の報告は、親御さんが状況をつかみ、次の判断をするための大切な手がかりです。どのような形で報告を受けたいか、どこまで知りたいかはご家庭によって異なりますので、ご依頼の前のご相談の段階から遠慮なくお聞かせください。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


