【親子問題】弁護士が「親の代理人」として親子問題に介入するサービス|家庭内暴力・ひきこもりに悩むご家庭へ、自立支援カウンセラーとチームで対応

若井亮

若井亮

テーマ:親子問題

この記事は2026年9月時点で公表されている統計・資料をもとに作成しています。制度や数値は更新されることがありますので、実際のご相談の際は最新の情報をあわせてご確認ください。


子どもから暴力を受けている。金銭の要求が止まらない。何年も部屋から出てこない。警察に相談しても「ご家庭の問題」として扱われ、行政の窓口では決められた案内を受けて終わる。民間の施設に預けてみたものの、戻ってきたときには何も変わっていなかった。当事務所には、こうした行き詰まりを抱えたご家族からのご相談が寄せられます。

 お子さんの年齢は問いません。10代の方もいれば、50歳を超えている方もいます。共通しているのは、ご家庭の中だけで抱えてきた時間が長く、当事者同士では距離を取れなくなっているという点です。この記事では、親子の問題がなぜ長期化しやすいのかを公的な資料をもとに整理したうえで、当事務所が弁護士と自立支援カウンセラーのチームで行っている取り組みについてご説明します。

家庭の中で起きていることは、統計に表れにくい

 はじめに、どれくらいの広がりを持つ問題なのかを確認します。

 内閣府が令和4年度に実施した「こども・若者の意識と生活に関する調査」では、いわゆる広義のひきこもりに該当する人の割合が15〜39歳で2.05%、40〜64歳で2.02%でした。全国に当てはめると約146万人、およそ50人に1人という推計になります。この調査は、令和5年4月にこども家庭庁へ移管されました。

 もう一つ、親の側の実情をよく映しているのが高齢者虐待の統計です。厚生労働省が公表した令和6年度の調査によると、家族や親族など養護者による高齢者虐待について、市町村が受けた相談・通報は41,814件で、12年連続で過去最多を更新しました。虐待と判断されたのは17,133件です。

 注目していただきたいのは、その中身です。

  • 被虐待高齢者から見た虐待者の続柄は「息子」が38.9%で最も多く、次いで夫23.0%、娘19.3%でした。
  • 虐待者の年齢は50〜59歳が27.3%で最も多くなっています。
  • 被虐待高齢者の85.7%が、虐待をした人と同居していました。
  • 一方で、虐待者からの分離が行われた事例は19.0%にとどまります。


 50代の息子が高齢の親と同居したまま、分離もされずに時間だけが過ぎていく。いわゆる8050問題と呼ばれてきた状況が、そのまま数字に表れています。

 若い世代についても同じ構図があります。法務省の犯罪白書によれば、少年による家庭内暴力の認知件数は平成24年以降おおむね増加が続き、令和5年は4,744件(前年比4.2%増)でした。暴力の対象は母親が2,781件と最も多く、父親640件、兄弟姉妹501件と続きます。家庭内で最も近い距離にいる人に向かうという特徴は、年齢を問わず共通しています。

警察に相談しても、事件として扱われないことがある

 「警察に相談したのに動いてもらえなかった」というお話は、ご相談の中で繰り返し伺います。これには制度上の理由があります。

 刑法244条1項は、配偶者、直系血族または同居の親族との間で窃盗罪などを犯した場合、その刑を免除すると定めています。同居していない親族との間では親告罪となり(同条2項)、この規定は詐欺罪や横領罪にも準用されます(刑法251条・255条)。親族相盗例と呼ばれる規定で、家庭の中の財産のやり取りには国家が立ち入らないほうがよい、という考え方に基づくものです。

 その結果、同居しているお子さんが親の財布から現金を持ち出しても、刑罰が科されることはありません。「盗られた」という被害の実感があっても、刑事事件としては前に進みにくいのが実情です。

 ここで大切なのは、この特例は財産に関する罪にしか及ばないという点です。暴行罪、傷害罪、脅迫罪には親族間の特例がありません。親子の間で起きたことであっても、暴力や脅しは犯罪として立件され得ます。

  • 金銭の持ち出し・使い込みは、刑事手続では扱いにくい類型である。
  • 暴力・脅迫は、親子間であっても刑事事件になり得る類型である。
  • 実際のご相談では、この2つが同時に起きていることが多い。


 もっとも、被害届を出して一時的に身柄が拘束されたとしても、それは安全を確保する手段にとどまります。手続が終われば、多くの場合、お子さんは元の家に戻ります。その後の住まいや収入をどうするのかという設計までは、刑事手続の中では行われません。

行政の支援は入口まで届く。その先は家庭に戻ってくる

 公的な支援がないわけではありません。都道府県と指定都市には、ひきこもりの状態にある方やそのご家族の一次相談窓口として「ひきこもり地域支援センター」が設置されています。市町村では、属性を問わない相談支援や参加支援を一体的に行う重層的支援体制整備事業が進められています。

 厚生労働省は令和7年1月、「ひきこもり支援ハンドブック〜寄り添うための羅針盤〜」を取りまとめ、全自治体に通知しました。平成22年のガイドライン以来、およそ15年ぶりとなる支援の指針です。

 それでも、ご家族の実感として「相談先が少ない」という声が消えないのには理由があります。厚生労働省の資料によれば、ひきこもり支援に特化した事業を実施している市区町村は令和5年度で245にとどまります。全国におよそ1,700ある市区町村のうちの一部です。お住まいの地域によって、受けられる支援の厚みがかなり違うということになります。

 また、行政の窓口は制度の枠組みに沿って動きます。相談を受け、情報を提供し、関係機関につなぐことはできても、継続的にご家庭の中に入り、お子さんの日々の金銭管理や住まいの確保、親御さんへの定期的な報告までを担うことは、もともと想定されていません。窓口が親身であっても、支援は入口で止まりやすく、その先の生活はご家庭に戻ってきます。

民間の施設に預けるという選択には、確認しておくべき点がある

 行政で解決しないため、民間の自立支援施設に相談されるご家族は少なくありません。実際に成果を上げている団体もあります。一方で、注意が必要な事例が生じていることも事実です。

 消費者庁は、ひきこもり支援を目的として掲げる民間事業者について、契約時や利用時に「対応が説明と異なる」「途中で解約できない」といったトラブルがあった場合には、消費者ホットライン(局番なしの188)を通じて消費生活センター等に相談するよう呼びかけています。

 裁判でも判断が重ねられてきました。令和元年12月には東京地方裁判所が、医療や福祉の専門スタッフがおらず支援が大部分において不完全であったとして、業者に約500万円の支払いを命じています。令和4年3月には東京地方裁判所が、無理やり施設へ連れて行き監視付きの部屋に閉じ込めた行為を不法行為と認めました。令和7年8月には横浜地方裁判所が、いわゆる「引き出し屋」と呼ばれる業者の違法性を認め、元入所者への賠償を命じています。

 これらの事案に共通するのは、契約するのは親、支援を受けるのは子という構造です。本人の同意がないまま物理的に連れ出す方法は、それ自体が法的な責任を問われる可能性があります。施設を検討される場合には、契約内容、支援の担い手、解約の条件、本人の意思をどう確認するのかを、事前に確かめておく必要があります。

当事務所の取り組み|親側の代理人と、子側の生活支援を分ける

 当事務所の代表弁護士である若井亮は、5年以上にわたり、北海道から沖縄まで全国のご家庭から親子の問題についてご相談をお受けしてきました。暴力や金銭の要求を受けているご両親の代理人として、お子さんと直接向き合う立場です。

 ただし、親側を守るだけでは問題は動きません。お子さんの側を孤立させたままでは、収入を得て生活を維持していく力が育たず、いずれ同じことが繰り返されるためです。そこで当事務所では、民間の自立支援カウンセラーと常にチームを組み、役割を分けて対応しています。

担当主な役割
弁護士(親側の代理人)ご両親の安全確保、お子さんとの連絡窓口の一本化、金銭要求への対応、住まいを分ける手続、必要に応じた法的手続の検討
自立支援カウンセラー(お子さん側)住まい探し、仕事探し、生活保護の受給申請のサポート、日々の金銭管理、生活上の相談への対応、ご両親への報告、過度な干渉の遮断


 この形の狙いは、親子の間に第三者を挟み、直接のぶつかり合いを止めることにあります。窓口が弁護士に移れば、ご両親は要求への即答を迫られなくなります。お子さんの側にも日常的に相談できる相手ができるため、「家を出たら何も分からない」という不安が小さくなります。

距離を取ることそのものに意味がある

 ご相談をお受けしていて感じるのは、親子の距離があまりに近く、互いに離れられない関係になっていることが問題の一つではないか、ということです。

 親御さんは「自分が面倒を見なければこの子は生きていけない」と考え、お子さんは「親がいる限り困らない」という前提で生活します。どちらか一方を責めて解決する話ではありません。だからこそ、物理的に住まいを分けるだけでも、双方に変化が訪れることがあります。

お約束できること、できないこと

 人が関わる取り組みである以上、結果を保証することはできません。時間もかかります。当事務所がお示しできるのは、次の3点です。

  1. ご両親に代わって、お子さんとのやり取りの窓口を引き受けること。
  2. 住まいと金銭の流れを分け、当事者同士が直接ぶつからない状態をつくること。
  3. お子さんの側に日常的な支援の担い手を置き、生活が続く枠組みを用意すること。


ご相談の流れ


  1. まずはご両親からお話を伺います。これまでの経緯、現在の同居状況、暴力や金銭要求の内容、これまでに相談した機関を整理します。
  2. 安全面の確認を行います。身体への危険が差し迫っている場合は、その場での対応を優先します。
  3. 弁護士とカウンセラーの役割分担を含め、対応の方針をご提案します。
  4. ご依頼をいただいた後、お子さんへの連絡窓口を弁護士に切り替えます。
  5. 住まいや収入の確保に向けて、カウンセラーが日常的な支援に入ります。経過はご両親に報告します。


よくあるご質問


子どもが成人していても相談できますか

 お受けしています。実際のご相談では、お子さんが40代・50代というケースも珍しくありません。年齢が上がるほど親御さんの体力や資力に限りが出てくるため、むしろ早めにご相談いただく意味があります。

本人を無理に連れ出してもらうことはできますか

 できません。本人の同意なく身体を拘束したり、自宅から連れ出したりする方法については、裁判で違法と判断された例があります。当事務所が行うのは、ご両親の代理人として交渉と環境の調整を行い、お子さんの側には支援の担い手を用意するという進め方です。

遠方に住んでいますが対応してもらえますか

 これまで北海道から沖縄まで、全国のご家庭からのご相談に対応してきました。まずは電話・メール・LINEでご事情をお聞かせください。

警察や行政にすでに相談しましたが、解決しませんでした

 そうしたご相談が多数を占めます。警察は事件の処理、行政は制度の運用という役割の中で動いており、各ご家庭の事情に合わせて継続的に関わることは想定されていません。当事務所は、その間に残された部分を引き受ける立場だとお考えください。

ご家族だけで抱え込む前に

 親子の問題は、外から見えにくいまま年月が過ぎていきます。ご両親が高齢になるほど選べる手立ては少なくなり、暴力や金銭要求が続けば、生活そのものが立ち行かなくなることもあります。何から手をつければよいか分からない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。

同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。

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若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

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