【解決事例】デリヘル利用中の行為を巡り「不同意性交等罪」を主張され500万円請求→80万円で解決した事例
この記事は、2026年10月時点の法令(情報流通プラットフォーム対処法などを含む)をもとに、風俗店の利用をめぐって店や女性とすでに示談を済ませた方を想定して説明しています。
示談金を支払い、示談書も交わして、これで区切りがついたと思っていたところ、店の口コミ欄や掲示板に自分の名前や電話番号、勤務先らしき情報が書き込まれているのを見つけた。このようなご相談は少なくありません。法律相談サイトにも、示談の後に自分の情報が外に出ていないかを心配する質問が寄せられています。
示談の後に情報が出てしまうと、「示談は意味がなかったのか」「抗議したら話を蒸し返されるのではないか」と考え、動けなくなる方もいます。この記事では、書き込みを見つけたときに最初に確かめること、示談書の条項との関係、削除を求める方法を順に整理します。
まず確かめたい3つのこと
書き込みへの対応は、何が書かれているか、誰が書いたか、示談書に何が書いてあるかによって変わります。焦って動く前に、この3点を確かめておくと、取れる手段がはっきりします。
何が、どこに書かれているか
本名、電話番号、顔写真、勤務先など、読んだ人が「あの人のことだ」と分かる情報が書かれているかどうかが一つ目の分かれ目です。名誉毀損やプライバシー侵害を主張するには、書き込みが自分を指していると読み取れることが前提になるためです。ニックネームや「〇日に来た客」といった記載だけでも、ほかの情報と組み合わせて特定できる場合があります。
書かれている場所も確認します。店の公式サイトの口コミ欄、在籍女性の写メ日記、口コミポータルサイト、匿名掲示板、SNSでは、削除を求める窓口が異なります。
誰が書いたと考えられるか
書き込んだのが店なのか、女性本人なのか、示談とは関係のない第三者なのかによって、使える手段が変わります。示談の当事者であれば示談書の条項を根拠にできますが、第三者には示談書の効力は及びません。投稿者が分からない場合でも、書かれた内容や時期から、ある程度の見当がつくことがあります。
示談書にどの条項が入っているか
示談書を読み返し、口外禁止(守秘)条項、清算条項、違約金の定めがあるかを確認します。口外禁止条項の効き方については、口外禁止条項はどこまで効くのか|違反されたときにできることで詳しく解説しています。示談書の控えが手元にない場合は、【風俗トラブル】示談書の原本を店しか持っていない|控えを求めるべき理由もあわせてご覧ください。
見つけた直後にしておきたいこと
- 書き込みの画面を、URL・投稿日時・投稿者名が分かる形で保存する。
- 自分で反論や事情説明の書き込みをしない。
- 店や投稿者に感情的な連絡をしない。
- 「消してほしければ支払え」という求めに応じない。
- 示談書や当時のやり取りの記録を手元にそろえる。
書き込みは、投稿者や運営者の判断でいつ消えるか分かりません。後で削除や損害賠償を求めるときの証拠になるため、見つけた時点で保存しておくことが大切です。
反論の書き込みは、かえって注目を集め、情報が広がるきっかけになることがあります。また、削除と引き換えに金銭を求められた場合、その求め方によっては恐喝にあたるおそれもあります。示談後に新たな支払いを求められたときの考え方は、示談したのに再度請求された|清算条項と蒸し返しへの対応で整理しています。
示談書の条項からみた考え方
口外禁止条項がある場合
店や女性が示談の内容や利用者の情報を外部に漏らさないと約束していたのであれば、口コミへの書き込みはその約束に反する行為と考えられます。この場合、条項を根拠に削除と今後の書き込みの停止を求めることができ、違約金の定めがあればその請求、なければ損害賠償の請求を検討することになります。
清算条項は書き込みまで消していない
「本件に関し、本示談書に定めるもののほか、何らの債権債務もない」といった清算条項は、示談の時点で存在していた請求を整理するためのものです。示談の後に新たに行われた書き込みは、示談とは別の行為と考えられることが多く、清算条項があるからといって請求ができなくなるとは限りません。条項の射程については清算条項を入れても蒸し返される場面|条項の射程の限界で解説しています。
口約束しかない場合
示談書に口外禁止の定めがなく、「外には漏らさない」と口頭で言われただけの場合でも、録音などで約束の内容を示せれば、交渉の材料になることがあります。口約束の扱いは【風俗トラブル】店が「警察には言わない」と約束してきた|口約束の意味と限界も参考になります。
書き込みが問題になる法的な根拠
示談書に定めがない場合や、投稿者が第三者の場合でも、書き込みの内容によっては次のような法的な問題になります。
| 問題になり得るもの | 考えられる書き込み | 主な対応 |
|---|---|---|
| 名誉毀損 | 「女性に無理な行為をした客」など社会的評価を下げる記述 | 削除請求、損害賠償請求、刑事告訴 |
| プライバシー侵害 | 本名、電話番号、勤務先、顔写真の掲載 | 削除請求、損害賠償請求 |
| 侮辱 | 事実を示さない罵倒や中傷 | 削除請求、損害賠償請求、刑事告訴 |
| 個人情報の不適切な扱い | 店が予約時に得た情報を公開する | 利用停止や第三者提供の停止の請求 |
名誉毀損は、書かれた内容が事実であっても成立することがあります。公共の利害に関わる事実で、公益を図る目的があるなどの事情があれば責任を問われない場合がありますが、私人の利用の事実を公開する書き込みでは、こうした事情が認められにくいと考えられます。刑事告訴を考える場合、名誉毀損罪と侮辱罪は告訴がなければ起訴されない罪で、告訴は原則として投稿者を知った日から6か月以内に行う必要があります。
店が予約時に得た氏名や電話番号を公開した場合には、個人情報保護法上の問題も生じ得ます。予約情報の扱いについては【風俗トラブル】予約時に伝えた本名・電話番号はどう使われるのかで解説しています。
削除を求める方法
サイトの運営者に削除を依頼する
多くのサイトには削除依頼のフォームがあります。X(旧Twitter)やInstagramなどの大規模なサービスは、情報流通プラットフォーム対処法により、削除の申出から原則7日以内に対応を判断して通知することが求められています。一方、風俗店の口コミサイトや小規模な掲示板の多くはこの義務の対象外で、従来どおり運営者の判断に委ねられます。制度の変化は【男女トラブル】情報流通プラットフォーム対処法で削除依頼はどう変わったのかで紹介しています。
店に削除と再発防止を求める
店や在籍女性が書き込んだと考えられる場合は、示談書の条項を示して、削除と今後の書き込みをしないことを書面で求めます。本人が直接連絡すると、話が示談の内容に戻ってしまうこともあるため、弁護士を窓口にするほうが落ち着いて進めやすくなります。示談の後に店の名前が変わっていた場合は、【風俗トラブル】示談の後に店が閉店・名前を変えた|合意は誰に対して有効かをご覧ください。
裁判所の手続を使う
任意の削除に応じてもらえない場合は、裁判所に削除を求める仮処分を申し立てる方法があります。投稿者が分からない場合には、発信者情報開示命令の手続で投稿者を特定し、損害賠償を求めることも考えられます。手続には費用と時間がかかり、ログの保存期間の関係で早めの判断が必要になる場面もあります。削除と特定のどちらを先に進めるかは、【不当要求対応】拡散された後の順序|削除と発信者特定のどちらを先に動かすかで整理しています。検索結果に表示される情報への対応は検索結果からの削除はどこまで認められるかもあわせてご覧ください。
削除を求めると話が蒸し返されないか
「削除を求めたら、店が警察に行くと言い出すのではないか」と心配される方もいます。示談が成立していても、それだけで刑事手続の可能性がなくなるわけではありませんが、示談書を交わしたうえでの削除の求めが、それ自体で新たな問題を生むことは通常考えにくいところです。示談後の刑事手続については【風俗トラブル】示談金を払ったのに被害届を出された|合意の効果と刑事手続で解説しています。
大切なのは、相手を刺激する言い方を避け、示談書に基づいて淡々と求めることです。書き込みが追加の支払いを引き出すために使われているように見える場合は、早めに弁護士へ相談し、窓口を一本にすることをおすすめします。
これから示談をする方へ
これから示談書を作る場合は、口外禁止条項に加えて、利用者の個人情報の削除や破棄、口コミサイトやSNSへの投稿をしないこと、違反した場合の違約金を定めておくと、後の書き込みに対応しやすくなります。条項の書き方は接触禁止条項・口外禁止条項の書き方と限界で、個人情報を握られたときの備えは風俗店・キャストに個人情報を握られた|悪用・晒しを防ぐにはで解説しています。
よくあるご質問
ニックネームだけの書き込みなら放っておいてもよいですか
直ちに自分と結びつかない書き込みであれば、様子を見るという判断もあり得ます。ただし、後から本名や写真が追加されることもあるため、画面の保存だけはしておくと安心です。
店から「女性が勝手に書いた」と言われました
店が関与していないと主張しても、在籍女性が業務に関連して書き込んだ場合には、店にも責任が生じる余地があります。示談書の当事者が誰になっているかも確認したうえで、店と女性のどちらに何を求めるかを整理します。
家族や勤務先に知られる前に急いで消したいです
急ぐお気持ちは当然ですが、慌てて投稿者に連絡すると、かえって拡散を招くことがあります。運営者への削除依頼と、店への書面での要請を並行して進めるのが現実的です。
示談後の書き込みでお困りの方へ
示談が済んだ後に自分の情報が書き込まれていると、どこに何を求めればよいのか分からなくなりがちです。示談書の内容と書き込みの中身を照らし合わせれば、取れる手段は見えてきます。一人で抱え込まず、まずは状況を整理するところから始めてください。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


