【風俗トラブル】ネットに名前や顔を書き込まれたら、削除を求められる?
風俗店とのトラブルで示談金を求められたものの、手元にまとまったお金がなく、親に立て替えてもらうことを考える方は少なくありません。店から短い期限を示され、思いつく先に次々と連絡してしまうこともあります。
親に頼ること自体は、現実的な選択肢のひとつです。ただ、お金の出どころが本人から親に替わると、相手に伝わる情報、示談書の書き方、親子の間の約束など、気をつけたい点が増えます。この記事では、示談金を親に立て替えてもらう前後で押さえておきたいことを、順を追って整理します。
立て替えを頼む前に、請求の中身を確かめる
風俗トラブルの示談金には、法律で決まった金額があるわけではありません。店側が示す金額は、多くの場合、話し合いの出発点にとどまります。何に対する金額なのか、誰が受け取るのか、支払えば何が終わるのかがはっきりしないまま、金額だけが先に決まっていることもあります。
請求額をそのまま親に伝えて工面してもらうと、見直せたかもしれない金額をそのまま払うことになりかねません。親に頼む前に、少なくとも次の点を確かめておくと、頼む金額や頼み方が変わることがあります。
- 請求している相手が誰か(店の運営者、店長個人、女性本人など)。
- 何に対する金額か(慰謝料、違約金、罰金など、どの名目か)。
- 支払えば何を約束してもらえるのか(被害届を出さないこと、口外しないことなど)。
- 期限の根拠は何か、延ばす余地はあるか。
法律相談サイトには、店から高額の示談金をその場で一括して払うよう求められ、勤務先や消費者金融、親に電話をかけたものの用意できず、支払いの期限を約束して店を出たという投稿も見られます。期限を区切られると、金額が妥当かどうかを考える前に「どう集めるか」に気持ちが向きがちです。示談金の目安については、風俗トラブルの示談金相場は?本番・盗撮・お触り別に弁護士が解説も参考にしてください。
親にどこまで事情を伝えるか
立て替えをお願いする以上、用途をまったく伝えずにまとまったお金を用意してもらうのは難しいことが多いでしょう。一方で、細かな経緯まですべて話さなければならないわけでもありません。
伝え方を考えるうえで大切なのは、後から説明が食い違わないようにすることです。別の理由を伝えて用意してもらうと、後日、店からの連絡が実家に届いたときなどに、親子の間で新たな行き違いが生じるおそれがあります。「トラブルの解決金として必要であること」「いつまでに、いくら必要か」「どのように返すつもりか」は、言葉を選びつつ伝えておくほうが、その後の関係を保ちやすいと考えられます。
また、事情を知った親が心配のあまり、店に直接電話をかけたり、支払いの場に同行したりすることがあります。親が交渉の場に出ると、親の氏名や連絡先、実家の所在が相手に伝わり、話の相手が増えることで条件がまとまりにくくなることもあります。親には「お金の工面だけをお願いし、店とのやり取りは自分か代理人が行う」と最初に伝えておくとよいでしょう。この点は【風俗トラブル】家族が代わりに交渉に出た|本人以外が動くことの是非でも取り上げています。
誰の名義で、どのように支払うか
親に立て替えてもらう場合でも、示談の当事者はあくまで本人です。支払いの方法によって、相手に伝わる情報や、後で支払いを証明する手段が変わります。
| 支払いの方法 | 相手に伝わりやすい情報 | 注意しておきたい点 |
|---|---|---|
| 親から本人の口座に送金し、本人の口座から振り込む | 本人の氏名・口座 | 親の情報が相手に出にくく、送金と振込の記録が両方残る |
| 親の口座から相手の口座へ直接振り込む | 親の氏名・金融機関 | 親の存在が相手に知られ、親への連絡の足がかりになるおそれがある |
| 現金で手渡しする | 受け渡しの場に来た人の顔や同行者 | 金額の記録が残りにくく、その場で追加の要求を受けるおそれがある |
一般的には、いったん本人の口座に移してから本人名義で支払う方法が、親の情報を相手に渡さずに済み、記録も残しやすい方法といえます。民法上、本人以外の人が代わりに支払うこと(第三者の弁済)も認められていますが、風俗トラブルの示談では、支払った人の情報がそのまま次の要求のきっかけになることもあるため、慎重に考えたいところです。
現金での受け渡しを求められている場合は【風俗トラブル】示談金を現金で持ってこいと言われた|受け渡しの場所と方法を決める前にを、受け取りの証拠の残し方は【風俗トラブル】示談金の領収書・受領書をどう作るか|後日の否認に備えるをご覧ください。
期限に追われているときの進め方
店から「明日までに」「今週中に」と期限を示されていると、まず親にお金を頼み、集まってから考えるという順序になりがちです。しかし、お金を先に用意すると、金額や条件を見直す前に支払いの段取りだけが進んでしまいます。立て替えを頼む場合も、おおむね次の順序で考えると、親に頼む金額と渡し方を落ち着いて決めやすくなります。
- その場では支払いや書面への署名をせず、請求の内容と期限を記録に残す。
- 弁護士などに相談し、請求額や条件を見直す余地があるかを確かめる。
- 支払う金額と条件が固まってから、親に必要な額と時期を伝える。
- 親から本人の口座に移してもらい、本人名義で支払いの準備をする。
- 示談書の内容を確かめて取り交わし、それと引き換えに支払う。
期限そのものに法的な根拠があるとは限らず、相手の都合で区切られていることもあります。期限が迫っている場合でも、その日のうちに弁護士へ相談し、窓口を代えることで、支払う前に条件を整える時間を確保できることがあります。
親子の間では「借りた」のか「もらった」のかを決めておく
見落とされやすいのが、親子の間の取り決めです。急いでいるときほど口約束で済ませがちですが、後になって次のような問題が起きることがあります。
返済をめぐる親子の行き違い
「返すと約束した」「援助のつもりだった」と、親子で認識が分かれることがあります。返す約束であれば、金額、返済を始める時期、月々の返済額を簡単な書面に残しておくと、後で互いの記憶に頼らずに済みます。親の立場から親子間の貸し借りを整理した【親子問題】子に貸したお金を返してもらいたい|「もらった」と言われたときの整理と請求の進め方もあわせてご覧ください。
きょうだいや他の家族との関係
親の財産からまとまった金額が出ると、将来の相続の場面で、ほかのきょうだいから「一人だけ援助を受けていた」と指摘されることがあります。立て替えなのか援助なのかがはっきりしていれば、そうした場面でも説明がしやすくなります。
税金の扱い
親から受け取ったお金が、形の上では借入れであっても返済の実態がないと、贈与として扱われることがあります。贈与税には年110万円の基礎控除がありますが、これを超える金額を受け取り、返済もしていない場合には、課税の対象となる可能性があります。金額が大きい場合は、税理士などの専門家に確認しておくと安心です。
一度の支払いで区切りをつけるための示談書
親に負担をかけて用意したお金だからこそ、一度の支払いで区切りをつけられるようにしておくことが大切です。支払う前に、少なくとも次の点が示談書に入っているかを確かめておきましょう。
- この示談金で当事者間の問題がすべて解決したことを確認する清算条項。
- 被害届や告訴をしない、またはすでに出したものを取り下げることについての取り決め。
- 本人だけでなく、親を含む家族や勤務先に連絡しないことの約束。
- 示談の内容や経緯を第三者に口外しないことの約束。
- 店だけでなく、女性本人による署名。
とくに、立て替えの過程で親の存在や実家の住所が相手に知られている場合は、家族へ接触しない旨を明記しておくことに意味があります。示談書の条項については、風俗トラブルの示談書に必ず入れる6条項|抜けると後で効かないで詳しく解説しています。
なお、親に頼めば支払いができると相手に知られると、示談の後に追加の請求を受けることがあります。支払った後に追加で請求されたケースとして、【解決事例】「警察に話す」と迫られ示談金100万円を支払った後、250万円の追加請求を支払いゼロで解決した事例があります。
親御さんが相談を受けたとき
この記事を、お子さんから相談を受けた親御さんが読まれていることもあると思います。成人したお子さんが負った示談金を、親が代わりに支払う法的な義務は、基本的にはありません。店から「親に払ってもらう」「実家に請求する」と言われることがあっても、親が支払いを約束したり保証人になったりしていない限り、そのことだけで親に支払義務が生じるわけではありません。
注意したいのは、示談の場や書面のやり取りの中で、親が保証人や連帯保証人として署名を求められる場面です。いったん署名すると、親自身が支払いの約束をしたことになり、お子さんが払えなくなったときに親に請求が向くおそれがあります。お子さんのためにお金を出す場合でも、親自身が支払いを約束する書面への署名は慎重に判断することをおすすめします。
援助をするかどうかは、親御さんご自身が決めてよいことです。援助をすると決めた場合でも、金額の妥当性や示談書の中身を確かめないまま支払うと、かえってお子さんのためにならないこともあります。子の借金と親の責任については、【親子問題】子の借金を親が返す義務はあるのかもご参照ください。
立て替えの前に弁護士へ相談する意味
親にお金を用意してもらう前に弁護士に相談すると、金額の見直し、相手の確認、受け渡しの方法、示談書の整備をまとめて検討できます。弁護士が窓口になれば、本人や親の連絡先を相手に新たに伝えずに話し合いを進められることもあります。
また、事案によっては、店にお金を支払うだけでは問題が終わらず、刑事事件として扱われる可能性が残ることもあります。示談でどこまで区切りをつけられるかは、事情によって異なります。弁護士費用も含めて親と相談する場合は、見積書のどこを見るか|風俗トラブルの弁護士費用の確認項目で費用の見方を確かめておくと、話し合いが進めやすくなります。
関連する解説記事
- 【風俗トラブル】請求を払うために借金をしようとしている|借りる前に考えること
- 【風俗トラブル】分割払いの示談に応じる場合|風俗トラブル固有の注意点
- 【風俗トラブル】実家の住所を知られていた|親に知らせると言われたときの備え
- 【風俗トラブル】家族が店からの電話に出てしまった|家族への説明とその後の交渉
まとめ
示談金を親に立て替えてもらうことは、トラブルを終わらせるための手段のひとつです。ただ、支払い方や書面の整え方によっては、親を新たなやり取りに巻き込むことにもなりかねません。親に頼む前の段階でも、請求の中身と支払いの段取りを整理しておくことで、選べる手立ては変わってきます。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


