マナーうんちく話2094《日本人の知恵!「厄除け」「厄払い」「厄落とし」、そして「邪気払い」どう違う?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

デジタル万能の世界になりましたが、今年の正月の初詣は大いににぎわいましたね。

なんだかんだと言っても縁起を担ぎたい人は後を絶たないということでしょう。

今回は年頭にあたり「厄」について考えてみたいと思います。

「厄」といえば、思いつくのが「厄年」「厄払い」「厄除け」そして「厄落とし」ではないでしょうか。

それぞれの意味について触れておきます。

【そもそも「厄」とはなに?】
災いや災難、あるいは病気や苦しみのことです。
昔の人は人の命や、健全な生活や、安定した生活を損なう原因と考えられるものを「厄」と捉えていたのでしょう。
また疫病を発生させるのは神様であり、その神を「疫病神」と呼んでいました。
さらに陰陽道にもとづき、厄日、厄月、厄年はきめられています。

今のように医学も科学も発達していなかった当時の人が、できる限り無駄な争いを避け、穏やかに暮らしたいと願って編み出した知恵だと思います。

起源は古代中国の陰陽五行説だといわれ、日本でもまず平安貴族の間で、続いて武家階級や庶民に普及したようで、大変長い歴史を有しています。

【厄払い・厄祓い】
神社で行う、災いや災難を取り除くお祓いが厄払いです。
すでに降りかかっている災いや災難を排除する性格が強いようです。

【厄除け】
お寺で行う、災いや災難を取り除く祈願祈祷です。
災いや邪気が寄り付かないようにする予防的な意味があります。

【厄落とし】
災いや災難を払い、落とすことですから、「厄払い」も「厄除け」も総じて「落とし」といえるでしょう。
厄年の「厄を落とすための行事」の意味でも使用されます

ところで「おみくじ」も神社と寺では異なります。
神社は神道で日本古来の宗教ですが、仏教は中国から伝わっています。
だからおみくじや厄の落とし方も、寺と神社で異なるのは納得できますね。

では《マナーうんちく話》で何度も登場した「邪気」とは何でしょうか?

【邪気】
簡単に言えば病気や不幸を引き起こす悪い「気」のことです。
「気」とはエネルギーや働きと捉えたらいいと思います。
今流に表現すれば、邪気とはネガティブなエネルギーともいえるでしょう。

当然心と体に悪影響を及ぼしますが、病院では治らないと思います。
また空気のように漂い、水のように流れるともいわれています。

【邪気払い】
自分の身の回りの邪気を取り除くことが邪気払いです。
ネガティブなエネルギーを取り除き、良い状態に保つことともいえます。

【邪気払いの方法】
《マナーうんちく話》でもいろいろ触れてきましたが、一般的には
〇新鮮な空気を取り込む
〇良い気を運ぶといわれている「香」を焚く
〇古今東西用「清めの儀式」でもちいられている「塩で清める」
〇神社や寺で販売している「パワーストン」に頼る
〇台所、トイレ、ふろなどの水回りの清掃をする
〇体や手を動かす
〇神棚を祀る
方法などがあるといわれています。

ちなみに1月15日は「小正月」で「小豆粥」を食しますが、小豆の赤色の力で邪気を払うことが目的です。

次回は《厄年》に再度触れてみたいと思います。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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