マナーうんちく話692《冠婚葬祭11、「葬」の知識と心構え》
お正月に大活躍した南天!
「難転」、すなわち難を転じる意味になるので、昔から邪気払いに効果があると考えられていたようです。
ところ11日は鏡開きですが、正月気分もそろそろ抜けて、仕事モードになった人も多いのではないでしょうか。
しかしつい半世紀くらい前までは地域によっては、1月15日は「小正月」を祝う風習がありました。
1月1日の正月は男性が主役になり、女性が多忙になるので「男正月」とか「大正月」と呼び、1月15日は女性が主役になるので「女正月」「小正月」と呼ばれ、家事一切は男性が担当し「小豆粥」をいただきます。
「男女共同参画社会」と言う言葉は存在しなかった時代ですが、男性も女性も平等になっていたのですね。
そして1月10日は「成人の日」です。
成人の日が祝日になったのは昭和23年の国民の祝日に関する法律で1月15日に定められたのが最初で、その後ハッピーマンデー制度により1月の第2月曜日があてられました。
祝日の主旨は「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い、はげます」日だそうです。
ところで今は帰省やコロナの関係もあり、成人式も自治体によりまちまちですが、昔は1月15日と決まっていました。
なぜ1月15日になったのでしょうか?
これがわかる人はすごいと思います。
答えは小正月にあります。
昔は「元服の儀」を小正月にしていたので、そのなごりです。
さらに当時は今のように「満年齢」ではなく「数え年」です。
満年齢では誕生日を迎えた時点で1歳加算されますが、数え年は誰でも揃って正月に年を取ります。
ハッピーバースデーと言いますが、正月がおめでたいのは「みんな誕生日を迎える」からかもしれませんね。
昔は今に比べると平均寿命が短いので、結構早くから「元服」、つまり今の成人式を行っていたようです。
個人差がありますが12歳から16歳くらいといわれています。
結婚も早く、幼い時に結婚する女子もいたとか・・・。
ちなみに元服は世間や地域の人に、一人前になったことを認識してもらう儀式で、
今のように楽しいという概念はなかったと思います。
外国でも成人に関する通過儀礼は多く見られますが、中には命がけのようなものもあります。
また日本でも、男性には明治から「兵役」の義務が課せられ、それが戦後まで続いていたわけですから、成人式が楽しい思い出になったのはつい最近でしょう。
今はすっかり昔の風習も絶え、小正月もなくなりました。
さらにハッピーマンデーで、成人の日も楽しい儀式になりましたね。
特に女性の振り袖姿はそれを象徴していると思います。
もともと長い袂を持つ振り袖は、江戸中期に生まれたデザインで、未婚の成人女性の礼装とされていましたが、当時の女性は18歳を過ぎると未婚であっても留めそでにしたようです。
10代半ばころが結婚適齢期だったからでしょうね。
ところでコロナ禍で、成人式を迎えた人の抱負を新聞やテレビでみて感心したことは、「世の中に貢献できる大人になりたい」という若者が多くなったことです。
頼もしい限りです。
どうか初心を忘れないで、元気で活躍していただきたいものです。
加えてここまで成長できたのは、多くの人の支えがあったおかげです。
常に「お陰様」という感謝の気持ちを忘れないでいただきたいものです。
また既に成人式を何年も前に終えている人も、この日は自分自身を振り返ってみるのもお勧めです