マナーうんちく話73≪話好きになる方法とは?≫
なんだかんだと言いながら令和3年も師走を迎えましたね。
12月は旧暦、新暦とも「師走」と言いますが、旧暦では12月は一年の最後の月ですから「極月(ごくげつ)」といいます。
また古い年を除いて新しい年を迎えるので「徐月」ともいいます。
さらに旧暦では正月は春になりますので、12月は春を待つ月という意味で「春待月」ともいわれます。
そして二十四節気の「小雪」から「大雪」、そして「冬至」へと季節が進みます。
「大雪」は文字があらわすように雪がさかんに降るという意味で、自然はさらに冬色を増してきます。南天の実も赤く色づきます。
ちなみに雪の美しさは「瑞花」「六つの花」など昔から花にたとえられてきましたが、降るのはほどほどがいいですね。
豪雪になると雪かきや交通渋滞で大変な目にあいます。
そういえば今年も11月の中旬までは穏やかな小春日和の日が続いていましたが、11月22日の「小雪」以後は、急に冷え込んで雪の便りが届くようになりました。
12月に入りさらに気温が低くなり、雪に見舞われる機会が多くなりそうですが、皆様方の地域はどうでしょうか。
くれぐれも注意してくださいね。
ところで12月の声を聴くと、「木枯らし」といわれる冷たい風が吹き抜け、木々の葉を払い落としますので、幹や枝だけの木も増えて、山全体が眠りについたようになります。
「山装う頃」から「山眠る頃」への移行です。
この時期に降る雨は、「木の葉時雨」「木の葉雨」という名がつけられていますが、赤や黄色に色づいた葉が落ちる様子や音を時雨や雨に例えたもので、とても風流ですね。
自然もめまぐるしく変化しますが、12月は新年への希望を託しながらの行事が多く、何かとあわただしくなります。
コロナ化で蓄積した嫌なことを一掃して、清々しい気持ちで新年を迎えたい気持ちは誰しも同じでしょう。備えあれば患いなしです。
何十年も生きてきて、毎年の繰り返しになりますが、コロナ禍と言え、今年も大掃除、お歳暮の手配、年賀状の用意、迎春の準備等に追われそうです。
アナログ人間の私は、カレンダーや手帳の手配等もおろそかにできません。
ただお歳暮や年賀状は時代遅れの行事と捉えている人も年々増加傾向にあるようですが、私は大切にしています。
これまで培ってきた様々な人間関係を大切にしたいからです。
お歳暮の起源は歳神様へのお供え物ですが、やがて世話になった人への贈り物になりました。
夏にはお中元の挨拶を交わしていますから、それから半年間お世話になりましたという気持ちでお歳暮を贈ります。
お中元もお歳暮も一番大切にしていただきたいのは感謝の気持ちですが、人にものを贈る際は「何を」「誰に」「どのような理由」で贈るかという贈答の基本も大切です。
そして誰かに贈り物をするということは、いくら気を使っても使いすぎることはありません。熨斗を付けるのもそのためです。
このようにして良好な人間関係は築かれていくのだと私は確信しています。
だからこそ、コロナ禍で疎遠になった今は、普段以上に心を込めたいと思っています。
お歳暮が虚礼になるか、絆を深めるツールになるかは贈る人の心次第だと思います。