マナーうんちく話1950《女は弱し、されど母は強し!最高の「ありがとう」を贈りたい母の日》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

暦の上では蛙が泣き始める頃ですが、この時期畑仕事をしているとカエルに出くわすことが多々あります。
長い冬眠から覚め活動を始めたのでしょう、これからにぎやかになりそうです。

ちなみに以前にも触れましたがカエルの語源は「帰る」です。
カエルは元の居場所に帰ってくる習性があるというのがその理由ですが、「逃げた女房が帰ってくる」「財布が返ってくる」など縁起がいいとされています。

ところで5月の第2日曜日は「母の日」ですね。100年以上前にアメリカで始まり世界中に広まった記念日ですが、日本でもいまやビッグイベントになりました。

プレゼントの好きな日本人に受けたこと、百貨店・小売店が巧みな販売合戦を展開したこともありますが、母を思う子どもの気持ちが通じたのでしょう、「笑顔」と「ありがとう」が行きかうほのぼのとした行事になりました。

毎日、雨の日も風の日も、家庭をきりもみして、家族の中心的役割を担ってくれているお母さんの偉大さを改めて認識するとともに、最高の感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

お母さんは家事、育児全般を通じ「手」をよく使います。
子どもが「おなかが痛い」といえば掌でさすって手当てしてくれます。
また熱が出たら額に手を当ててくれます。
いわゆる「手当」で、これにより子どもはお母さんの手のぬくもりを感じます。

加えて誰しも経験があると思いますが、幼い頃、お母さんが握ってくれた「おむすび」の味。おむすびは「握り飯」とも言いますが、その歴史は大変古く、恐らく米作りが始まった縄文時代にさかのぼるのではないかと考えます。

その頃から今日は遠出!というときには、お母さんは両手で握り飯をこさえて持たせてくれたのだと思います。昔から世のお母さんたちは、誰しも握り飯の作り方を身につけていたのでしょう。

手当てをしてもらって気持ちよくなるのも、握り飯がおいしいのも、ひとえにお母さんの手には温かい心が宿っているからです。

さらに、その手で愛情いっぱい接することで、子どもは感性や思いやりの心を身につけるとともに、やがて凛とした品格を身につけるようになります。

昔から「子は母を映す鏡」と言われますが、ホテルで長年結婚式の仕事に携わっていた時、「お母さんの今の姿を見れば、花嫁の未来が解る」といわれたものでした。

母がだらしなければ、子もそれに似てくるし、母がきちんとしていると、子もきちんとします。多分これは当たっていると思います。

またお母さんの大事な仕事は、子どもを心身ともに健康に育てることと、人としてよりよく生きることを教えることだと思います。家庭では笑顔を絶やさない、一生懸命働く、我慢する、あるもので上手に工夫する、手作り料理などなど。

加えてお母さんは「マナー美人」であり、子どものマナーの教師で、生き方、身だしなみ、お金、子育て、暮らし、人づきあい、食卓の作法などの先生です。

フランスの文豪の言葉に「女は弱し、されど母は強し」があります。
か弱き女性も、母親になると子どもを守るために、困難や苦労にも耐えて強い力を発揮するという意味ですが、古今東西不変ではないでしょうか。

今年は特にコロナ疲れも加わって、苦労も極限に達して、例年より多くのストレスがたまり、弱音も吐きたくなります。家計のやりくりも大変です。体調も気持ちも日により違うし、仕事や近所の人間関係の悩みもあります。怒りたくもなります・・・。

しかし、どんな時でも、子どもを中心に考え行動するのが母でしょう。
今年の母の日は物の贈り物もいいですが、日頃のお母さんの偉大さ、苦労などを理解し、心から謝辞を表現してみてはいかがでしょうか。

お母さんの目をきちんと見て、笑顔で「ありがとう」の言葉を発してくださいね。
親しいがゆえに恥ずかしいかもしれませんが、感謝は言葉にして始めて伝わるものです。明るい声で、語尾まではっきり伝えて下さい。

また今年は手作りマスクのプレゼントも多いと思いますが、手紙やギフトカードを添えるのもいいでしょう。時節柄メールやSNSでメッセージを送るのもいいかも。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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