マナーうんちく話266≪食文化と世界三大食法≫
幕末から明治にかけて生まれた西洋料理店。
中でも外国人が持ち込んだトマトケチャップと日本の西洋文化との出会いは、それまでの日本の食文化を大きく変えました。
庶民の味として多くの人の胃袋を支えた「スパゲティーナポリタン」に特別な思いを寄せる人は多いのではないでしょうか。
わたしもその一人で、遠い昔、大学生の頃喫茶店で食べたスパゲティーナポリタンは特別な味がした記憶があります。
ところで左手にスプン、右手にフォークをもってスパゲティーを食べるスタイルはいつ頃生まれたのでしょうか?
確か昔はフォークだけで食べていたと思うのですが・・・。
現在では、店によりさまざまですが、スパゲティーのセットはフォークとスプンが付く場合がおおいようです。
ただスパゲティーは基本的にはフォークだけ使用したほうがいいでしょう。
スプンを使用してスパゲティーを食べている人を見ると、フォークでスパゲティーを取り、スプンで受けて、フォークに巻き付けて食べられていますが、スプンを使用しないで、皿の隅で、フォークを垂直に立てるように持って、くるくる巻き付ければ品よく食べることができます。
ポイントは盛ってあるスパゲティーの中心にフォークを入れるより、皿の隅を利用することです。また一度にたくさんの量を巻き付けないことです。
一口にはやや少ないかなと思う程度がお勧めです。
3回から4回くらい回し、フォークにスパゲティーを絡めたら、そのまま口に運ぶのがスマートな食べ方です。
また日本のソバやウドンを箸で頂くときのように何度も上に持ち上げたりしません。
勿論スパゲティーはのど越しを味わうものでもないので音は立てません。
現在ではスパゲティーの種類も非常に多くなり「スープ風のスパゲティー」も存在します。
フォークとスプンがセットされますが、右手でフォークを使用してスパゲティーを食べます。そしてスパゲティーを食べ終わった後に、最後に右手にスプンをもって、残ったソースをすくって頂いて下さい。
最後に「パスタ(pasta)」専門店も多くなりましたが、パスタとは小麦粉を練って作ったイタリア発祥の麺類を意味します。
スパゲティーはパスタの一種ですが、小麦粉で作られる細いひものような麺で太さは2ミリ前後がおおいようです。
いずれにせよ外国が起源の料理を一番楽しんでいるのは日本ではないでしょうか。
食料自給率が40%にも満たない日本では、いろいろな食材を海外から輸入するばかりでなく、料理まで取り入れ、それを巧みに日本風にアレンジして、レパートリーを拡大し、今では和洋中、3種類の料理を日常的に味わうようになったわけですね。
いま世界中の人が新型コロナと戦っていますが、それに加え「飢え」とも戦っている人も少なくありません。
世界屈指の美食、飽食の国での生活に感謝するとともに、地球上の飢えにも関心を持ちたいものですね。
今までいろいろな食べ方の食べ方に触れてきましたが、「食べる」という意味を再度深く考えて頂ければおのずと美しい食べ方になると思います。