マナーうんちく話1946《オンライン授業は大変魅力的！でも家庭でしか担えない役割も多々ある》

新型コロナウイルスは教育の在り方も大きく変化させ、「オンライン授業」のニーズが急速に高まってきた感があります。

名門校がこぞって授業を公開する一方、それぞれの学校が環境づくりを充実させると共に様々な工夫を凝らしたりして、今後益々普及することが予測できます。
学校の在り方も大きく変わりそうですね・・・。

確かにテクノロジーの進化に伴い登場した、新しいシステムやサービスはとても魅力的ですが、そうかといって、今までのアナログ的性質を持つ要素全てが不要になったわけではありません。

オンライン授業の魅力は「通学の必要がない」「好きな科目をとことん学べる」「自由に色々と挑戦できる」など沢山ありますが、万全ではないはずです。

社会人になって必要不可欠になる「社会性」をどのようにして身につけるか？
「人付き合いの方法」をどのように学ぶか？
「孤独感」をどう克服するか？
「どこで友達を作るか」？
「規則正しい生活習慣」をどのように身につけるか？などなど今までのやり方でないと身につかない大切なことは沢山あります。

つまりオンライン授業が全盛になったとしても、学校や家庭でないと担えない役割が多く存在するということを認識することが大切ではないでしょうか。
例えば子どもの「しつけ」はいつの世も親の仕事だとおもうのですが・・・。

親は、何をオンラインで学ばせ、どんなことを家庭で教えるか？をしっかり認識していただきたいものです。

特に現在は物が豊かで便利な時代になったせいか、「集団より個性」「規律よりも自由」に重きが置かれている気がしてなりません。このことは民主教育ならではの成果で素晴らしいことかもしれませんが、学力偏重も度を過ぎると、「感謝」「思いやり」といった、本来人生を豊かに生きるための《人間力》が培われないと考えます。

また学校は規律や社会の基本ルールなどは教えてくれますが、しつけまで学校に頼るのはどうかと思います。オンライン教育の前に、先ずは家庭におけるしつけが原点ではないでしょうか。

親の生活習慣の中で「コレは良いこと」「コレは悪いこと」。
親の背中を見て子どもはマナーを身に付けます。

親が家庭で素敵なマナーを発揮すれば、子どもはそれをコピーするので自然に身に付くでしょう。子どもが卒業するまでに基本的なことを身につけさせてあげることは親の役割ですが、「人に迷惑をかけてはいけない」と言葉で教えるだけではだめでしょう。親がいい手本になって、愛情を持ちながら、子どもが体と心で覚えるようして下さい。

またマナーは子どもが柔軟で自由自在な時にこそ、親が意識して実行すれば自然に身に付くと思います。たとえば親が玄関で靴を脱ぎ、それをキチンと揃える姿を見たら、子どもも玄関で一生懸命まねるでしょう。

食事の時に、姿勢を正し「頂きます」の挨拶とともに、美しい箸使いをすれば、子どもも苦労しながらそれをまねるでしょう。

子どもの前での笑顔や夫婦が仲良くすれば子どももそのように心がけるでしょう。
どんなことも最初の基礎が大切です。

マナーは法律ではないので、守らなくても罪を受けることはありません。
しかしやがて大人になって、それが人柄や品格となります。
どんなに素晴らしい教育を受けた人でも、品格のない人には魅力は感じません。

新型コロナウイルスのせいでゴールデンウイークも自粛が余儀なくされ、家庭で共に過ごす時間が増えると思います。またコロナは家族の物理的距離まで遠ざけました。

何かと大変だと思いますが、子どもの長い・長い人生を豊かにするために、今、親でないとできないことを、子どもに提供してあげて頂ければと思います。

直ちに数学や国語の点が上がるわけではありませんが、子どもが卒業してから素晴らしい力を発揮するはずです。長い視野が必要です。