マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
全般的にひとり暮らしが増加する傾向にあるので、食事を一人でする人も当然増えてきます。問題はそれを味気なく寂しいととらえるか、誰にも気兼ねせず美味しく、楽しくするかです。一人での食事を充実させるためのポイントに触れてみます。
●気持ちや習慣を少し変えてみて下さい。
〇まずは食べることを好きになってください。
「食事=楽しい時間」と捉えることで生活が豊かになり、毎日喜びが感じられます。
〇一人での食事は自分自身を慈しむ最高のひと時と捉え、大事にしてください。
一人での食事は誰にも遠慮がいりません。
加えて本当に自分の好きなものが食べられ、とても贅沢な時間です。
大いに楽しんで明日の活力にしてください。
〇食卓の環境を整えてみて下さい。
特にテーブルコーディネートにも関心を持ち、「箸置き」を置き、「生花」を飾るのもお勧めです。気持ちにゆとりが持てます。
※《マナーうんちく話1033「花と箸置きのある食卓の多大な効果」》を参考にしてください。
【食卓に生花を飾ることによる効用】
いつもテーブルマナー講座で参加者に進めていることですが、食卓に花を飾れば下記のような効果が期待できます。
・食卓が華やかになるとともに部屋全体が明るくなります。
・リラックスできます。
・心にゆとりが出ます。
・感情が豊かになります。
以上のように手間なく、低コストで、癒し効果、リラックス効果などの体調を最適にする効果が沢山期待できます。
鉢植えでもいいですが、なるべく「切り花」で、花瓶に生け、小まめに水を替えたり、枯れたら取り換えるなどの管理をしてくださいね。
食べる環境を整えることはとても大切だと心得て下さい。
〇出来合いの料理でも皿に美しく盛り直すことで、満足感がアップするでしょう。
例えば自分のお気に入りの皿を準備することもお勧めです。
つまり見た目にも美しく配膳することで、目から得られる満足感を得るということです。またカップラーメンでも出来上がった時点で、ラーメン丼に移し、薬味など加えるのもいいでしょう。
好きな音楽とともにゆったり気分での雰囲気もいいですね。
〇賢い食べ方も大切です。
バランスの取れた栄養を取ることと、とにかくよくかんでください。
これらは健康長寿に直結するとても大切なことですから、日々心掛けて下さいね。テレビ番組などを通じ知識を得ることも大切です。
※《マナーうんちく話994「ぜひ実践したい標語【卑弥呼の歯がいいぜ】」》
〇常に感謝の気持ちをお忘れなく。
たとえ一人での食事でも「頂きます」や「ごちそう様」の挨拶はしてください。
以上のようなことに気を配りながら、なるべく規則正しい食生活を早くから身に付けて頂きたいと思います。
ゆとりがあれば「美しい食べ方」を意識してください。
食べることに関わって半世紀近くにもなりますが、不思議なもので「テーブルマナー」を意識しながら食べると、同じ料理が一段と美味しく感じられ、食べる喜びが増してきます。
一人で食事をするときにはぜひこの感覚を持って欲しいと思います。