マナーうんちく話1829《和食文化と即席麺》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

暦の上では夏になりましたが、この時期は身も心も疲れが出やすい時期です。
ご自愛ください。

ところで外国人旅行者は年々増加傾向にありますが、旅先での食事はとても楽しみです。

和食がユネスコの無形文化遺産に登録されて久しいですが、日本のそば、うどん、そしてラーメンの人気も上々です。

現在地球上には200近い国や地域が存在しますが、それぞれ独特の食文化を形成しています。

その国々の主食、気候風土、国民性、そして宗教などが大きな影響を及ぼし、数えきれないくらいの料理があります。
しかし料理を「何を使用して食すか?」という「食法」は概ね3種類に限定されます。

いわゆる世界3大食法で「手食」「フォーク・ナイフ・スプン食」「箸食」に分類されます。

日本の和食は箸を使用して食しますが、和食マナーの大きな特徴は、器を手で持って食べることにあり、世界の中でも大変ユニークなマナーです。

また椀型(碗型)の食器を日常の食事で使用することも大きな特徴ですが、これは日本に限ったことではなく東アジアでも日常的なことです。
ただ和食の箸使いや器の扱い方のような厳格なマナーは存在しないと思います。

ちなみにお椀は箸で食しますが、お椀の料理は個人用の食器として使用され、一人前をお椀に入れて供するので、自分の箸を他人のお椀に入れるのはマナー違反です。

そしてお椀と箸で食す料理として発達した料理に「麺類」がありますが、今日本人のみならず、日本を訪れた外国人に人気がいいのがラーメンではないでしょうか。

さらに今から50年前以上に日本で開発された即席ラーメンは今や世界に進出していますが、依然として衰える気配はなく生産も消費も伸びる一方で、これにうどんや蕎麦といった即席麺も沢山出回っており、今や世界中で年間980億個消費されているとか。
驚きですね。

美味しい、手軽、安価、腐敗しにくく長持ちする、安全などの理由が挙げられますが、和食の枠を通り越し、もはや人類の食べ物と言えるかもしれませんね。

地球上の飢餓や災害時に計り知れないくらい貢献している点も大きな魅力です。

食器として使用できる容器の中に麺を入れ、箸ではなく世界中の人が手軽に使用できるプラスチック製のフォークを添えた発想は、とても素晴らしいです。

商品の開発力といい、食べる人への思いやりといい、素晴らしい商品で、従来の世界3大食法の概念も変わってきたと思います。

ただ人工甘味料で味付けされた食べ物で味覚が支配されてしまったら、天然の味が解りにくくなる恐れもあります。
ご注意ください。

ところで同じお椀でも和食の時の白いご飯や汁物は4本の指をそろえて、底を持ち、親指を縁に添えて食べます。
この時には姿勢も正してくださいね。
これで美しい食べ方になります。

即席麺を頂くときにはそこまでこだわることはないと思いますが、臨機応変に対応してください。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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