マナーうんちく話459≪手土産の渡し方①「玄関先」≫
おいとまは「タイミング」がとても大切です。
訪問の際に、あらかじめ所要時間を知らせておくことが大切ですが、時間通りにはいきません。
たとえ予定時間が過ぎても、先方からは切り出しにくいのが終わりの挨拶です。
従ってこちらからお暇を切り出すよう心がけて下さい。
予定が長引けば、先方はお茶のお替りなどの心配りをしてくれるので、お茶を入れ替えて頂くような時がいいタイミングかもしれませんね。
時計に目をやり「いつの間にかこんな時間になってしまいました」。
あるいは「すっかり長居してしまいました。」といいながら、「そろそろ失礼いたします」などと切り出せばいいでしょう。
客人が「おいとま」を切り出したら、いったん引き留めるか、素直に見送るかは非常に難しいところですが、両者の親密度や、これからのことがありますので一概には言えません。
心情的には一度は引き止められると思います。
もし強く引き留められたら、「それではお言葉に甘えまして」と言って従えばいいでしょう。
お暇するときの挨拶は、玄関ではなく、部屋の中で丁寧にしてください。
最初の挨拶と最後の挨拶はとても大切ですが、特に帰るときの挨拶は大切と心得て下さい。
わざわざ会うために貴重な時間をとっていただいたことと、おもてなしに対するお礼を述べて下さい。
玄関先で「靴ベラ」を出されたら、お礼の言葉とともに借りればいいですが、この際、相手に背中やお尻を向けないよう注意してくださいね。
スリッパを借りていたら、出口に向かって脱ぎ、靴を履きます。
また、靴を履き終えたら、振り返って中腰で、スリッパの向きを変えて端に置いて下さい。
脱いだスリッパをラックに置いたり、重ねたりはしません。
これはその家の主の仕事です。
また、すでに部屋でおいとまの挨拶は済んでいるので、玄関では長いをしないでくださいね。
簡単なお礼で失礼するのがおすすめです。
先方が玄関から外に出て見送っていたら、一度途中で振り返って、再度会釈程度の挨拶をしてください。
そして帰宅後は速やかにお礼の電話を入れて下さい。
このお礼の電話は、無事帰ったという報告と、お礼の挨拶です。
ただし時間的に無理でしたら翌朝電話でもいいでしょう。
加えてお礼状もお勧めです。
礼状のタイミングは「間髪入れず」と心得て下さい。
最後に大切なことを付け加えておきます。
お願い事などの要件で訪問して、その願いが叶わなかったら、お礼がおろそかになりがちですが、こんな時こそ丁寧なお礼が大切です。
その人の人柄はここに出ます。
うまくいかなかったら、余計御礼の挨拶を大切にしてください。
長い目でみれば、きっといいことがあると思います。