マナーうんちく話1705《これくらいは心得ておきたい!茶菓の頂き方のマナー》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:訪問ともてなしのマナー

他家や他社を訪問して部屋に通されたら茶菓を出される場合が多々あります。

この暑さであれば、ほとんどの場合は「麦茶」が多いと思いますが、麦茶やアイスコーヒーや紅茶にケーキならあまり迷うことはありませんが、クーラーの良く効いている部屋で、和菓子に蓋つきの湯飲みが供されたら、やや緊張しますね。

先ず蓋つきの湯飲みが出されたら、とても丁寧なもてなしをしていただいていると思ってください。ただ茶席と異なり、家や事務所での茶菓の接待には堅苦しい礼儀作法はありません。不必要に緊張しないことです。

ゆとりがあれば、お茶とお菓子の位置を確認してください。
お菓子が左で、茶が右に来ていれば作法どおりです。

先ずは茶菓を出していただいたことに対してお礼の言葉が必要です。
次に「いただきます」の言葉があれば良いですね。

出された茶菓ですが、頂くタイミングが大切です。
少し間を置く人が多いようですが、折角ですから出されたらすぐに頂くのがいいでしょう。

ではお菓子とお茶、どちらを先に頂くか?
菓子を先に頂くのが一般的ですが、あまり難しく考えることはないでしょう。

和菓子は「黒文字」などが用意されているので、それを使用して左側から一口ずつ切ればいいでしょう。

黒文字はケーキに添えられるフォークのようなもので、黒文字と呼ばれる樹皮がいい香りがする木から作られた「菓子楊枝」です。
一口大に菓子を切って、刺して頂きます。

ただし「干菓子」は手で食べます。大きかったら手で割ればいいでしょう。「最中」も手で食べて下さい。

菓子を口に運ぶときに、こぼしてもいいように懐紙があればいいですが、なければ菓子皿を持っても構いません。

ここで注意していただきたいことは《姿勢》です。
姿勢を正し、菓子に顔を近づけるのではなく、菓子を持った手を口に近づけます。

お茶は、軽く左手を茶碗に添え、右手の親指と人差し指で蓋のつまみを持ち、他の指は揃えて蓋に添えて下さい。綺麗に見えるポイントは指をそろえることです。

蓋を手前に持ち上げ、蓋の中の雫を湯飲みの中に落とすようにしてください。
左手を添えて仰向けに右側に置きます。
飲むときは左手を茶碗に添えます。

雰囲気で茶菓をすぐにいただけない場合もあります。
そんな時には一口だけ茶を口に付け、帰るまでにすべて頂けばいいでしょう。

私は講演の依頼を良く受けますが、ほとんどの場合講師控室が用意されており、そこで茶菓を振舞ってもらうことが多々あります。

和室に案内されることもあれば、洋室の場合もあります。
日本茶やコーヒーが主ですが、部屋に入る時から茶菓のサービスまで作法通りに出されることは先ずありません。

ということは、おもてなしをする側も、マナーをほとんど理解してないということです。しかし笑顔や明るい声は大切にしてください。

大切なことは、もてなしをする側は「歓迎の気持ち」を、もてなしを受ける側は「感謝の気持」を、どれだけ具体的に表現できるかだと思います。

たまにマナー講師を迎えるということで、サービスの仕方を勉強され、非常に美しいもてなしをしていただくこともあります。頭が下がります。

マナーはサービスを「提供する側」と「受ける側」の心と心が交流することです。
相手がマナー心を発揮したら、年齢や立場に応じて、それを心地よく受け入れる知識やスキルも大切だということです。
笑ってすまされるのは若い時かもしれませんね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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