マナーうんちく話1701《蓮始開(はすはじめてひらく)》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

夏空が広がり、夏の風が遠慮なしに熱気を運んできて猛暑日になっている地域がふえてきました。
くれぐれもご自愛ください。

汗ばむ季節になると、そうでなくとも身も心も疲れ気味になりますが、時には気分転換が必要かもしれませんね。

暦の上では「蓮始開」頃です。
蓮の花が初めて開く頃という意味ですが、蓮の花の美しさは楊貴妃の美しさに例えられるほどです。

加えて「泥より出でて、泥に染まらず」という教えも有名ですね。

蓮は仏教を象徴する花といわれ、仏様の教えを示す花だといわれていますが、実は、蓮の花はきれいな水の中では、美しい花を大きく咲かせません。
汚れている水場ほど、大きな花を美しく咲かせるそうです。

従って「泥より出でて、泥に染まらず」とは、汚れた環境にいても、それに染まることなく、清く、正しく生きなさいという教えです。

同じような意味で「泥中の蓮」という言葉もあります。

それにしても最近、政治の世界でも、教育の世界でも、スポーツの世界でも、これらの言葉を実感するような事件がたくさん起こりましたね。

ちなみに、お寺の境内に蓮の池が多いのは、仏教では、西方浄土にあるといわれている極楽は、神聖な蓮の池と信じられているからだそうです。

上に立つ人は、たまにはこのような場所に出向き、清らかさの象徴とされる蓮の花を眺めて心を清め、凛とした品格を発揮してもらいたいものですね。

連日蒸し暑い日が続いていますが、蓮の花はこの時期の清涼剤になりそうです。
そして、この時期ならではの風物詩に「観蓮会」があります。

大きな蓮の葉の中に、酒や水を注いで飲む「像鼻杯(ぞうびはい)」なども体験できるところがけっこうあるそうです。

雪のような白い肌で、母性愛に満ちた、賢くて機転の利く楊貴妃も、蓮のお茶を好んだといわれます。
古くから美容や健康に効くとされていたのでしょう。

また、この時期はちょうど一年の真ん中になります。
日が長く、夕方になってのまだ明るいのが特徴です。

さらに木々の葉がさらに緑を深め、多くの生き物が成長します。
花火大会や夏祭りなどで活気づく頃でもあります。

心と身体のバランスを上手にとり、元気で活躍してくださいね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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