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コラム
マナーうんちく話1670《こんなにある結納の効果、その2》
2018年5月11日
結納の効果、前回からの続きます。
〇日本の伝統文化に触れることができる。
特に結納セットなどは日本の贈答文化の根源を成すものであり、そこには日本人の大変豊かな精神文化が凝縮されています。
例えば結納品の「長熨斗」は鮑をたたいて伸ばしたもので長寿を意味します。
「寿留女(するめ)」は幾久しいという意味を含んでおり、噛めば噛むほど味が出るお嫁さんの意味もあります。
「子生婦(こんぶ)」は慶ぶという意味のほかにも、子宝に恵まれる意味もあります。
「友志良賀(ともしらが)」はともに白髪になるまでという意味で、「生涯仲睦まじく」と説いています。
このことは、最近発表された「人を最も健康で幸せにする研究」で発表された、人を幸せにするのは《身近な人との良好な人間関係である》という結果にマッチするものでしょう。
「末広」は末広がりで、「家内喜多留(やなぎだる)」は福が多いことを願う《祝い酒》です。
このように結納セットの一つ一つは、おせち料理とよく似た縁起のいいものの組み合わせで、豊かな精神文化を含んでいます。
そしてその後の結婚式は男女が夫婦の契りを結ぶ儀式で、神や仏の前で杯をあげて契りを結びます。
ちなみに、そのことを知人友人に披露するのが披露宴です。
冠婚葬祭の中でも結婚は昔と異なり、当事者である二人が主体的に行えますので、どのようにするかは自由ですが、良いことはなるべく多くの人に喜んでもらいたいですね。
〇緊張することにより互いの絆がより深まる。
結納はお金もかかるし、時間もかかり、さらに余計な神経を使うから不要と考える人も多いと思いますが、周囲との《良好な人間関係》は、時間や手間暇をかけるほど強まるもので机上理論だけでは築けません。
結納を通じ、最も大切な人に何を贈れば喜んでもらえるか?をじっくり考えることは、裏を返せばとても充実した時間で幸せを実感できる時間です。
このことをぜひ実感していただきたいものです。
逆にこれ以上大切なことは、あまりないように思うのですが・・・。
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