マナーうんちく話1624《今流の男の礼儀作法⑦「レディーファースト」と「メンファースト」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

発揮している、いないは別として「レディーファースト(ledies first)」をご存知ない人はいないでしょう。

レディーファーストの起源は諸説ありますが、本来ヨーロッパの貴族などの上流社会では、女性の地位は低く、淑女がとるべきマナーが存在していたようです。

日本の江戸時代には武士の礼儀作法という厳格なマナーがありましたが、これに対して武士の妻の作法があったのとよく似ていますね。

やがてヨーロッパの騎士の間にも貴婦人に対して奉仕する理念が生まれ、今のように女性を優先する「レディーファースト文化」が育まれていったのでしょうか。

ところでオリンピックは閉会しましたが、世界中の色々な人と心地よく過ごすための規範である「プロトコール」には5つの原則があります。

その中には「序列」「右上位」「答礼」「異文化尊重」とともに「レディーファースト」があります。

つまり国際社会で活躍するにはレディ-ファーストを身に付ける必要があるということです。

しかし日本にこの概念が持ち込まれて既に100年位なるにもかかわらず、レディーファーストに目覚めている人はいまだに非常に低いのが現状でしょう。

男性が慣れていないということは、女性も不慣れだということになります。
互いに慣れて頂くのが一番です。

ポイントに触れておきます。

〇椅子
レストランなどでは女性に椅子を引きます。
但し案内係がいれば、案内係りのすぐ後ろを女性が歩いて下さいね。
上座で、ソファと椅子席であれば女性はソファになります。
〇ドア
エレベーターでは男性が扉を手で押さえ女性を優先させます。
この際「お先にどうぞ!」などと一声かければなおいいでしょう。
エスカレーターでは上りの時は女性が先で、下りは逆です。

〇道路
車道側は男性が歩きます。
またこの時に重い荷物があれば男性が持ちます。
加えて歩く歩調は女性に合わせてください。

〇支払い
基本的には男性が支払います。
割り勘の場合でも男性が代表して支払います。

〇その他
コートを脱いだり、着たりするときにも手を貸してくださいね。
さらに長時間の場合は休憩などにも配慮が必要です。

●レディーファーストで注意すること
今や女性の活躍が話題になり、世はまさに男女平等です。
従ってレデーファーストを女性差別と受け取る人もいます。上記のような知識を心得たうえで、人により臨機応変に対応することも必要になるかもしれません。

●レデイーファーストより「メンファースト」になる場合もある
国際基準は右上位とレディーファーストの原則ですが、日本の和のシーンでは全く逆のケースがあります。ホテルではレデーファーストが望ましいと思いますが旅館や料亭は男性優位がお勧めです。
左上位とメンファーストを大切にしてください。

紳士が淑女を優先して丁寧に接する習慣を身に付けておけば、男性優位の場合も自然に優雅なふるまいができるということです。

さらに女性は、男性がレディーファースト心を発揮しようとしたら、それを素早く察して、男性が発揮しやすいようにしてください。
そして笑顔で「ありがとう」で答えてくださいね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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