マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
現在日本国内には「コンビニ」が約55000軒あるといわれていますが、ほとんどの人が身近に存在する便利な店として利用されていると思います。
一方コンビニより身近な存在が神社で、全国には約81000社あります。
今では身近なようで遠い存在になっているかもしれませんが、正月や祝い事、さらに様々な祈願や厄除けのため訪れる人は後を絶ちません。
今回は昔から縁の深い「厄払い」と「まじない」に触れておきます。
【絵馬】
絵馬とは神仏に祈るために捧げる板絵の絵馬のことです。
ペットブームのあおりを受け、時代とともにその絵の内容も変化しているようですが、いずれにせよ神様に祈る気持ちは今も昔も変わりません。
しかし絵馬に描かれる基本的な図柄は「絵馬」といわれるように馬です。
なぜ馬かといえば、馬は神様の乗り物だからです。
昔は生きた馬を貴族や武士が神様に奉納しており、神社には馬を飼う神馬社(じんめしゃ)が設けられていたわけですが、それがやがて板絵に変化しました。
【夢占い】
現在は健康志向になり睡眠や夢の研究もいろいろ進んでいるようですが、昔は夢の中の出来事を現実の鏡として捉え、夢で見たことが実際に起こると信じられていたようで、夢には大きな関心がもたれていたようです。
夢の中に神様や偉人が登場して、そのお告げ通りにしたら万事うまくいったという物語は至る所に存在しますね。
年が明けて初めて見る夢を「初夢」と言いますが、一般的には元日か2日に見る夢をさします。七福神などが描かれているお目出度い絵を枕の下に敷いて、いい夢を見ることが流行っていたようです。
【てるてる坊主】
小学生の頃、遠足の前の晩に「あすははれますように」との願いを込めて、布でてるてる坊主を作り、それを逆さにつるして寝た記憶をお持ちの人も多いと思います。
童謡に「てるてる坊主」がありますが、この歌詞では「明日天気にしておくれ」と願いを込め、そして願いが叶ったら「金の鈴を上げる」と言っています。
このように○〇を代償に祈願するやり方は全国各地で見られます。
てるてる坊主の歴史的な変遷は明確ではありませんが、もとは紙製の人形だったようで、それがいつの布製に変化していったようです。
【だるま】
転んでもまた起き上がる張り子人形のだるまは昔から商家などで重宝され、今でも選挙では必須アイテムですね。
七転八起が人気を博した最大の理由ですが、それとともに赤には昔から魔除けの効果があるとされてきました。
【おみくじ】
おみくじもほとんどの人が年に何回も引くと思いますが、その割には詳しい知識やマナーをご存知ない人も多いと思いますが、「おみくじ」は神様の意向を伺うものです。
絵馬にせよ、おみくじにせよ、神様を畏れ(おそれ)、敬う気持ちで感謝の気持ちを添えるのがマナーの基本です。
ちなみに「厄払い」は「厄除け」とも言いますが、行い方が異なるだけで、内容には変わりはありません。
一般的には、厄除けはお寺、厄払いは神社で使用される言葉です。
つまり、お寺で祈祷を受けるときには「厄除け」、神社でお祓いを受けるときは「厄払い」と言いますが、いずれも予約の上、正装で臨まれることをお勧めします。
また「呪い(まじない)」とは、神様や仏様などの力を借りて禍や病気をのぞいたり起こしたりすることで、「呪い(のろい)」とは、特定の人に禍が起こるように念ずることで、どちらも同じ漢字になります。
御神籤に関しては後日詳しく触れてまいります。