マナーうんちく話73≪話好きになる方法とは?≫
前回「冬至の七草」に触れましたが、冬至は昔の捉え方では、冬の極まりの最悪の日であると同時に、春のスタートでもあります。
(現在は立春からというのが定説です)
だから縁起の良い食べ物をしっかり食べて運気を高めたのでしょう。
特におすすめなのが「ん」がダブルの食べ物です。
「幸運の食べ物」とでも名付けましょうか・・・。
「にんじん」「うんどん(ウドン)」「れんこん」「なんきん」などは手ごろで、今の時期にこれらを食べることは大変いいことだと思います。
運気を呼ぶと同時に、厳しい寒さを乗り越え、元気で春を迎えようとする先人の知恵でもあります。大根、ゴボウなど体を温める根菜類もいいですね。
ちなみに、日本には春夏秋冬の四季がありますが、冬は「山眠る」と表現されるように、自然界は休息をとる時です。
休息することにより大地は清められて、芽吹きの春を迎えるわけですね。
人もそうです。
「健康の3要素」は栄養、運動、休息といわれますが、この時期には気を休めることも必要です。そして躍動の春に備えてください。運のつく食べ物で運気を高め、難を転じる「難天」を部屋に飾り、気分転換をはかるのもいいでしょう。
「果報は寝て待て」といわれますが、運気はなにもしないで、しぜんにやってくるものではありません。昔はいろいろな行事に合わせ調度類等をかえていたようですが、今流ですと「運盛り」が手軽にできお勧めです。
私は自分が主催する講座では毎回季節の花を飾りますが、この時期にはまい年「運盛り」でおもてなしします。
作り方はごく簡単で「ん」のつく野菜や果物を大きめな笊などに盛り付け、入り口に置くだけです。れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、さらに蔓になるカボチャがあればさらにいいでしょう。蔓ものは「来年につないでくれる」という意味があり、特に縁起がいいとされています。
中にはご存知の人もいて大変喜ばれます。
あまり関心を示されないようであれば、開講の挨拶時に簡単に説明します。
そうすれば、ご理解いただけ気分を良くされます。
縁起とは「縁を起こすこと」です。
そして縁を起こしやすくしてくれるものが「縁起物」で、日本には昔からとてもたくさん存在します。いかに縁を大切にしてきたかということです。
「運がいい人」がいますが、ひとことで「運」と言っても捉え方は10人10色です。
大金入りの財布を拾うことも、難関の試験に受かるのも確かに運が良かったかもしれません。
しかし私は幸運ということは、「縁に恵まれること」だと思います。
《幸運=縁に恵まれること》であれば、当然それなりの努力が必要です。
つまり運がいい人になるには、旬を味わい、季節の移ろいに敏感になり、感性を磨くことも大切でしょう。感性が豊かになればしぜんに、人間関係もよくなり、ビジネスやプライベートにおいても発揮できるようになるでしょう。
さらに大切なことは「人」を大切にすることだと痛感します。
特に身近な人には常に最善を尽くしていただきたいものです。
いつも感謝、尊敬、思いやりの心を抱き、それを言葉や態度や文字で具体的に表現することが何よりです。
人は必ず年を取ります。
どれだけ強い思いであれ、時が経過すれば、ともに薄れていくことは多々あります。
だから年に一度の年賀状が大切になるわけです。
「運」の意味はいろいろあるようですが「運ぶ」と表現されています。
一枚の年賀状が幸運を運んでくれることもあるということでしょう・・・。
12月は師走と言いますが、あわただしく走り回るより、一年を振り返り、来年の縁づくりの計画を立てるのもお勧めです。