マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
庭や野山の草花に宿る白露が秋の趣を深めるようになったら、春にやってきたツバメが日本から遠のき、南へと移動します。
多くの人が一度や二度は燕とぶつかりそうになった経験をお持ちだと思いますが、最近燕の数が減ってきた感があります。
燕はカラスや蛇のような天敵から身を守るために、あえて人の存在がわかる家の軒下などに巣をつくるのですが、巣を作れる場所が減少したせいでしょうか。
稲につく害虫を食べてくれるので古くから益虫とされ「ツバメの巣がある家」は縁起がいいとか「千客万来」の象徴とされただけに、他の渡り鳥と違ってツバメが去っていくのは一抹の寂しさがありますね。
秋は食べ物が豊富に出回り、芸術の秋、スポーツの秋など前向きになれる季節ですが、何か寂しさを感じるのは、春と異なり去っていくものが多いからでしょう。
ところであなたは人から頼りにされるタイプだと思いますか?
人に喜ばれる、人の役に立つ、人に頼りにされる人はそれだけで幸せを感じることができるかも・・・。
そのためには「話し上手は聞き上手」も大切です。
一生懸命人の話に耳を貸し、それをきちんと理解すれば喜ばれるでしょう。
何かあれば一緒に行動してくれる人も、また頼りにされるでしょう。
痛みを共にすることも大切です。
お金を融通してくれる人も大いに心強いものがあるでしょう。
加えて、何かあればそれを素早く状況分析して、複数の選択肢を用意するとともに、とるべき行動をきちんと提案することも頼りにされる大きな要因でしょう。
特に上に立つ人はこの能力は必要不可欠だと思います。
人は突然ハプニングやトラブルが発生したら往生します。
予期せぬ出来事には弱いものです。
右往左往するばかりで、どう対処したらいいのか迷うことは多々あります。
そんな時に、身近に客観的に判断を下して適切なアドバイスをしてくれる人がいれば、いざという時には助かります。
しかし状況に応じて適切なアドバイスできる力は本を読んで身につくものではありません。
とにかくいろいろな経験を積み、総合的な人間力をつける必要があるでしょう。
ツバメは去っていきますが、この季節には鶺鴒(せきれい)が鳴き始めます。
日本を作ったといわれる「イザナギ」と「イザナミ」は結婚したものの、子どもの作り方を知りませんでした。
それを素早く察した鶺鴒は尾を上下に動かす動作をして、子どもの作り方を教えました。
そのおかげがあって「日本」という国が生まれたと神話にあります。
だから鶺鴒は「恋教え鳥」という名前を付けてもらって、結婚式にはたいへん頼りにされています。
加えて少子化が進展し、未来に暗雲が漂い始めている今の日本にとって一番頼りになる鳥かもしれませんね。
選挙のムードが高まっていますが、本当は政治家の中にいて欲しいと思うのですが・・・。
「この人は頼りになるひとかどうか?」・・・。
人を見抜く力も身に着けたいものですね。