マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
古代中国では、例えば奇数が陽で偶数が陰、太陽が陽で月が陰、男性が陽で女性が陰というように、万物を陰と陽に分けて考えていたそうです。
そして陰と陽は対立し対比した形で存在し、陽が極まれば陰がこれを阻止するというように循環すると考えられていました。
これが「陰陽説」で古代の日本では中国の影響を非常に受けていましたので、この思想は国の制度にも多々反映されています。
加えて、季節や方位も色で象徴し、四季がスムーズに循環するように祈ったとされています。
この色についての考えも、日本の日常生活の中でしっかり根付いていますが、その代表的な物が春の青色、つまり青い春です。
「青春」という言葉はここから生まれたと言われています。
ところで「青春とは人生のある一定期間を言うのではなく、心の持ち方を言う」といったアメリカの詩人サミエル・ウルマンの言葉が有ります。
彼は「信念、自信、希望と共に若く、疑惑、恐怖、失望と共に老いる」と述べています。
この言葉は、戦後日本にやってきたアメリカのマッカーサー元帥が座右の銘とした言葉で、日本でもすっかりおなじみになりました。
戦後間もない頃は先進国の中でも最下位クラスであった日本人の平均寿命は、今や世界のトップクラスになりました。
全国には100歳まで生きている人が6万人を超えています。
さらに、まだ100歳には至っていないが、90代や80代で元気な人は珍しくありません。
国連は65歳以上を「高齢者」と呼んでいますが、今の日本では65歳以上の人が第一線でバリバリ元気で働いています。
だからそろそろ、この発想は変えた方がいいと思います。
ちなみに、昔は仕事が定年になれば、人生も定年になりました。
しかし今は平均寿命が延びたので、高齢期の時間がとても長くなりました。
だから今は仕事が定年になれば、そこから人生で最も充実した新たな人生がスタートします。
なぜなら、今までの多彩な経験や知恵も加味して、人生の年輪が加味されるからですね。
年齢に関する感覚が半世紀前とはあまりにも変化したということです。
だからこそそれに見合った生き方が求められるわけですね。
次回に続きます。