マナーうんちく話494≪和顔愛語≫
働き方改革が旬の話題になっております。
科学技術、情報技術、近代化、グローバル化が急速に進展するにつれ、本来なら心豊かな生活が出来るはずなのでしょうが、益々社会の行き詰まりを感じ、課題が山積している気がしてなりません。
勿論近代化や情報化は私たちの生活を豊かで便利なモノにしてくれたことは確かで、それを否定するモノではありません。
技術の進歩の恩恵は計り知れない位大きなものが多々ありますが、デメリットも沢山あります。
原発事故はその典型的な例でしょう。
気象変動もしかりだと思います。
自然環境ばかりではありません。
最近家庭や地域や学校や職場で、人と人との絆が大変薄れてきて深刻な問題が多発しています。
かつてない位の情報化社会になったら、コミュニケーションもさらに発展するはずなのですが、人前で話をするのが苦手な人が増加傾向の一途を辿っている気がしてなりません。
メールでの言葉は飛び交っていますが、生の会話が失せてきたということでしょう。
挨拶さえできない大人も増えてきた気がします。
「有り難う」「御免なさい」という基本的な言葉も失われてきた感が有ります。
毎年国連が発表している「幸福度ランキング」において、日本が上位に掲載されない理由が理解できる気がします。
近代化の弊害を何とかしなくてはなりません。
コミュニケーションの復活を図り、人と人との血の通った会話を復活させたいものですね。
個人差が大きいので定かではないと思いますがある説によると、一人の人間が一生のうちに出会う人の数は3万人前後だと言われています。
これだけの出会いがあったら、コミュニケーションを上手にとるか否かの差は膨大になると容易に想像できます。
しかしSNSの発展は、それらの人との血の通った生の付き合いから「文字だけの付き合い」に変えてしまいました。
こうなると良好な人間関係を築くのは難しそうです。
出来れば一人ひとりの人の生の声を聞いて、どのような姿かたちをされているのか、人物像をキチンと目で確かめたうえで、交流を深めたいものです。
加えて、共に食事をし、苦労や喜びも分かち合いながら絆を深めたいものです。
多種多様な出会いは、共に語り共に笑い苦しみ、そして絆が産まれ、それが育まれ、やがて信頼関係へと発展していくのではないでしょうか。
個人情報も大切ですが、自ら相手に心を開き、良い縁に触れ、笑顔のコミュニケーションを心掛けることが大切であり、それにより豊かな生活を謳歌する事が出来ると考えます。
薫風が爽やかな季節で多くの生き物がキラキラ輝く時期です。
出来る限り笑顔を心掛け、先手必勝の声掛けを実践し、溌剌と生きていきたいですね。
感動はそんな中から生まれると思うわけです。