マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
物が豊かになり、効率に重きがおかれる時代になり久しいですが、日本の幸福度は相変わらず低迷したままです。
物質的な豊かさや便利さを追求するだけではハッピーになれないということでしょう。
だから物の豊かさから「心の豊かさ」を追求する事も大切ではないでしょうか。
そのためには「気配りの在るコミュニケーション」が、家庭でも地域でも職場でも学校でも大切になってきます。
では気配りとはなんでしょうか?
ある書物によると「間違いが無いように細かなところまで注意を行きとどけさせること」とありますが、私は「思いやり」だと思います。
「気配り」「気配り」と聞くと、なんだか窮屈になり疲れてしまうと思う方がいるかもしれませんが、「気配り=思いやり」だと認識すれば意識が変わってくるはずです。
ちなみに何度もこのコラムで触れていますが「思いやり」とは、礼儀作法の根源を成すもので、相手に「不快感を与えないこと」と「好感を与えること」です。
ではそのポイントはどこにあるのでしょうか?
他者に対して思いやりの心を抱き、それを言葉や態度や表情、あるいは言葉で表現するには、自分自身の身も心も充実させる必要があります。
「衣食足りて礼節を知る」です。
先ずは自分の身体と心を大切にして下さい。
つまり、思いやりは自分自身に向けることからスタートする事が大切です。
自分自身が充実すれば、他者に対して思いやりが発揮できるゆとりが生まれます。
次はその発揮するスキルを磨けばいいわけです。
色々あります。
ほんの一例ですが「足元」を綺麗にすることもお勧めです。
「足元を見る」という言葉が有ります。
足元にはその人の品性や心のうちが現れるということです。
靴も常に磨いて下さいね。
この努力が心の美しさに繋がっていくわけです。
加えて「美意識」を高く持つことも大切です。
身だしなみを整えておくということです。
ちなみに身嗜みは他者視線です。
長い人生には山あり谷ありですが、窮地に陥った時こそ身だしなみに気配りして、自分自身の末端への手入れを大切にして下さいね。
こうした意識は自分自身の感性を磨いてくれます。
大変な時こそあえて美しさを保つことが、ひいては他者に対して気配りが出来、相手を感動させ、絆を構築し、良好な人間関係を築き、やがては「幸せ貯金」がどんどん溜まり、周囲の人まで幸せにしてしまう人になれます。
但し気配りはマニュアルで簡単に対応できるものではありません。
相手の状況に合わせ個別に対応するものです。
ではどうするか?
ひとえに自分の伴侶や家族に応対する気持ちで臨むことがいいでしょう。