マナーうんちく話1401《幸運を招く「立春大吉」と「大福茶」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

前回触れました2月3日の「節分」は雑節ですが、2月4日の「立春」は二十四節気の一つです。

ちなみに旧暦では春の節分が大晦日で、立春は正月になります。
今でも年賀状に「迎春」とか「新春」と書きますが、いずれもそのなごりです。

従って立春は一年の始まりで、全ての起点になります。
例えば「八十八夜」は立春から数えて88日目で、台風がやってくると恐れられた「二百十日」は立春から210日目に当たります。

このように立春は元締めにはる日ですから昔から縁起を担ぎます。
「立春大吉」という言葉をご存知でしょうか?

この言葉は縦に割ると左右が対象となるため非常に縁起がいいとされています。
立春大気と縦書きにして、壁や机の前に貼っておくとこの一年無事に過ごせると信じられています。

ポイントは自分で和紙や半紙などに書いて、息を拭きかけるそうです。
新年を気持ち良く過ごす縁起のいい言葉ですからお勧めです。

そして立春にはもう一つ縁起がいい物が有ります。
「福茶」です。

福茶はもともと縁起のいい時に飲むお茶ですから立春には最適の飲み物です。

ちなみに新年に始めて汲んだ水を「若水」といいますが、その若水で入れた「福茶」は最高で特に「大福茶」とも言います。

これに縁起のいい「梅」「結び昆布」「大豆」等を加えれば立派な大福茶の出来上がりです。

今は殆どの家では水道水ですが、たとえ水道の水でも感謝の気持ちを込めて是非福茶を飲まれてはいかがでしょうか。

そして立春後は春の兆しもちらほら現れてきます。
立春後に初めて吹く強い風が「春一番」です。

では「春一番の野菜」はなんでしょうか?
「フキノトウ」です。
雪解けの土の中から間もなくフキノトウもお目見えします。

まだ若すぎる芽にはエネルギーが一杯蓄えられており、そのほろ苦い味わいは如何にも健康に良さそうで格別です。

さらに春を告げる「鶯(ウグイス)」がさえずり始めます。
ウグイスがその春初めてさえずることを「初鳴」といいますが、これを聞くと春が来たことが実感できます。

さらに梅の花も開花して春を知らせてくれます。
梅は百花に先駆けて厳寒の中、高貴な香りと共に清楚な花を咲かせますので特に縁起がいい花とされています。
万葉集でも萩に次いで多く詠まれている理由が頷けます。

ところで「梅に鶯」という言葉が有るのをご存知でしょうか。
梅の木に鶯が止まると思われている人も多いようですが、鶯は「春告げ鳥」、梅は「春告げ花」で、いずれも春を告げてくれる縁起のいい物という意味で使用されます。

これからは一年で一番ワクワクする時期です。
身も心も元気でご活躍下さい。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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